「高速鉄道」を売り込め! 日中対決の舞台はインドへ=中国メディア

中国メディアの参考消息網は10日、「中日海外高速鉄道市場、次の戦場はインド」と題する記事を配信した。中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では、世界各国に対する売り込み競争で「自国有利」と論ずる人が多い。安全性についても中国の方が新幹線より上とする主張もある。
タイのプラユット首相は2014年12月に北京-天津間の高速鉄道に試乗した。2月に訪日した際には、東京から新大阪まで東海道新幹線のぞみ・グリーン車に乗車した。プラユット首相は新幹線について「素晴らしい」などと述べた。
プラユット首相は前政権が計画していた高速鉄道の導入はいったん見送り、在来線の整備を進める方針だ。背景には資金問題があり、日本はタイに新幹線技術を提供するだけでなく、建設資金を低金利で融資することを提案した。
日本政府は一方で2月28日、インドの首都ニューデリーで新幹線の魅力を紹介するセミナーを開催した。出席したシンハ鉄道担当閣外相は、インドが新幹線を採用する可能性について「もちろんある。モディ首相はとても関心を持っている」、「日本の技術と能力は実証されたもの」などと述べた。
参考消息網は、インドだけでなくマレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道でも、日本は積極的取り組んでおり、特に信頼性や安全性を強調していると紹介。世界各地における高速鉄道受注を巡って日中の競争が展開される見込みと報じた。
「日本・新幹線VS中国・高速鉄道」の国外への売り込みについて、中国の微博には多くのコメントが寄せられた。中国では2011年7月に浙江省温州市内で高速鉄道が追突・脱線・転落し、40人が死亡したとされる事故が発生したが、自国の高速鉄道の安全性を懸念する書き込みは見当たらない。
逆に「中国は全世界最大の高速鉄道ネットワークがある。安全性は時間によって確認された」、「新幹線は中国(の高速鉄道)ほど安全ではない」などの主張が目立つ。
ただし、「単純に品質のことなら、日本産は中国産よりずっと上だよ。中国産の競争力は価格だからね」、「日本は高速鉄道の本家。技術も安全だ」などの指摘もある。
「コメント欄を見るに、中国人は本当に自信がないのだなあ」との書き込みもある。「中国製は安全」などと強調する書き込みを含め、「日本の新幹線と競争」という事態に対して自信がないからこそ、神経質な書き込みが続くことを評していると思われる。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C) 甘 来/123RF.COM)
中国メディアの参考消息網は10日、「中日海外高速鉄道市場、次の戦場はインド」と題する記事を配信した。(イメージ写真提供:(C) 甘 来/123RF.COM)
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2015-03-11 17:00