【為替本日の注目点】ユーロの独歩安継続、株価とユーロドルに注視

 NY市場  前日の米国株の大幅下落を受け、東京では120円台後半で始まったドル円はじり高となり、121円台半ばまで上昇。NY時間では材料難から121円台半ばを中心に小動き。ユーロドルは欧州市場に入ると、1.06台半ばからユーロ売りが継続。NY時間には1.0511まで下落し、連日安値を切り下げる。ユーロ円も127円台半ばと、ユーロの独歩安が顕著。  株式市場は続落。対ユーロでドル高がさらに進んだことや、原油安を手がかりにダウは27ドル安。債券増場は続伸。欧州主要国の金利低下が続き、米国債に資金が向かっている。長期金利は2.1%台まで低下。金、原油は続落。  ドル/円 121.20 ~ 121.58  ユーロ/ドル 1.0511~ 1.0628  ユーロ/円 127.64 ~ 128.75  NYダウ -27.55 → 17,635.39ドル  GOLD -9.50 → 1,150.60ドル  WTI -0.12 → 48.17ドル  米10年国債 -0.023 → 2.108%  本日の注目イベント  豪   豪2月雇用統計   独   独2月消費者物価指数(改定値)   欧   ユーロ圏1月鉱工業生産   米   2月小売売上高   米   新規失業保険申請件数   昨日のドル円は朝方は121円を割り込みましたが、その後は日経平均株価の予想外の上昇に反応して121円台半ばまで反発しています。短期的なドル円の方向性を決定する材料は、日本株の動きとユーロドルの動きとも言えそうな状況になっています。  日本株の上昇にはやや驚きました。NYダウが今年最大の下げを見せた昨日も、朝方こそマイナスでスタートしましたが、切り返してプラスで取引を終えています。通常、NYダウが300ドルを超える下落を見せたら、少なくとも300円か、場合によっては500円程度の下げを覚悟しなくてはなりません。今朝の経済紙にもありましたが、「五頭のクジラ」を当て込んだ「ちょうちん買い」が相場を押し上げたようです。  ドル円と株価との相関関係が低下してきたとは言え、さすがに力強い株価の上昇を見せられたら、ドル円も上昇基調を強めるのは自然の流れと言えます。円と、ユーロが急速に売られ、「円安、ユーロ安」が進んでいることで、ドイツのDAXも最高値を更新しており、日経平均株価も1万9000円を窺うなど、どちらも異次元の量的緩和を受けて資金流入が続いています。株式の配当利回りが長期国債の利回りを大きく上回っていることも、資金流入を加速させているようです。  ユーロの下落が止まりません。連日「大台替え」を見せており、昨日は対ドルで1.05台前半までユーロ安が進行しています。ユーロが売られ、ドルが買われていることで、ドル円でもドルが買われ円が売られやすい状況です。共にドル高の流れの中にいますが、ユーロの下落スピードの方が円よりも速いため、ユーロ円では円高に振れています。量的緩和を背景に「ユーロの独歩安」が続いている状況です。  本日は米国で小売売上高が発表されます。来週のFOMC会合では一つの判断材料になると思われます。FOMCでは「忍耐強く」という文言が維持されるのか、あるいは外されるのかが最大の焦点です。個人的には、外される公算が強いと予想していますが、それでも、それが6月の利上げにそのままつながるかどうかは、慎重に見極める必要があります。ここに来て利上げが意識されNY株式市場が調整色を強めていることも、政策判断に影響を与えるかもしれません。  本日もドル円は基本的には121円で推移しそうです。上述のように、株価とユーロドルの動きを注視しながら取引を行うことになります。レンジは120円80銭~121円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
前日の米国株の大幅下落を受け、東京では120円台後半で始まったドル円はじり高となり、121円台半ばまで上昇。NY時間では材料難から121円台半ばを中心に小動き。ユーロドルは欧州市場に入ると、1.06台半ばからユーロ売りが継続。NY時間には1.0511まで下落し、連日安値を切り下げる。ユーロ円も127円台半ばと、ユーロの独歩安が顕著。
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2015-03-12 09:30