中国市場の歪み・・・「良質を駆逐する悪質」=中国メディア

中国では2月の春節(旧正月)連休中に日本を訪れた自国民が日本の工業製品を大量に買う姿が報じられたことで、「日本製品はなぜ、そこまで人気があるのか」という議論が活発になった。仕事に真面目に取り組み、細かいところまでおろそかにしない日本の製造業の特徴を理解するキーワードとしてこのところ「匠の心」がよく取り上げられるようになった。
中国の大手ポータルサイトの網易は13日「中国製造業は『匠の心』を解読することに焦点を当てよ」と題する文章を掲載した。
同文章は、2012年現在で、創業200年以上の日本企業は全世界最多の3146社になると紹介。「日本のような小さな国が長寿企業を輩出しているのは、絶対に偶然ではない」と論じた。
文章は続けて「日本の製造業は(伝統的な)『匠の心』をそのまま受け継ぎいだ」と説明。「匠」あるいは「職人」について、「単純作業を繰り返すだけの労働者と思う人が多いかもしれない。しかし実際には深い内容を持つ。『匠の心』とは技術であり、品質であり、専門性であり、厳格さであり、さらに重要なのは(仕事に取り組む)姿勢だ」と論じた。
そして、「製品の品質を極限まで高める。極限とは自らとの戦いの過程だ。出来栄えに満足することは永遠にない」などと紹介した。
中国中央広播電台(中国中央ラジオ放送局)の趙九驍解説員は、「われわれも、製品の品質を重視している。しかし『匠の心』に決定的に欠ける」と主張。「絶え間なく改善を続けてこそ、製品の品質を99%から99.99%に引き上げることができる。(安直に利益を上げることばかりを考える)浮ついた心では、できない」と論じた。
趙解説員は、「中国人もイノベーション能力が欠如しているわけではない」と主張。しかし、「新製品が出るたびに、たちまちコピー商品が出る。公平な市場環境や信頼できる取引システムがない」と指摘。中国で「悪貨が良貨を駆逐する」現象が発生していることも「匠の心」の欠落と関連付ける考え方を示した。
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◆解説◆
創業200年以上の企業数については、さまざまな報告がある。日本経済大学経営学部長の後藤俊夫教授の2009年の調査によると、創業200年以上の企業は日本が全世界最多の3937社。第2位以下はドイツの1850社、英国の467社、フランスの376社など。中国は75社。(編集担当:如月隼人)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
中国では2月の春節(旧正月)連休中に日本を訪れた自国民が日本の工業製品を大量に買う姿が報じられたことで、「日本製品はなぜ、そこまで人気があるのか」という議論が活発になった。(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
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2015-03-13 17:30