エスプールは足元は利益確定売り優勢だが、好業績を評価して出直りの流れに変化なし

 人材サービスのエスプール <2471> (JQS)の株価は、足元で利益確定売りが優勢になったようだが、好業績を評価する流れに変化はなく、昨年9月高値に向けて出直り展開だろう。  アウトソーシング関連のビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシング、キャンペーンアウトソーシング、障がい者雇用支援サービス)を主力として、人材派遣関連の人材ソリューション事業(販売・営業支援、オフィスサポート、試験運営サポート)、およびマーチャンダイジングサービス事業などを展開し、中期経営計画では16年11月期売上高100億円、営業利益5億円を目標としている。  ロジスティクスアウトソーシングはネット通販市場の拡大が追い風であり、ECサイト出店企業などの物流センター運営・発送代行で新規顧客獲得を推進している。障がい者雇用支援サービスは、障害者雇用促進法に基づいて大企業の障がい者雇用をサポートするもので、企業向け賃貸農園「わーくはぴねす農園」の栽培設備販売収入と農園運営管理収入を収益柱としている。高付加価値サービスとして千葉県を中心に事業規模を拡大している。放射性物質除染業務はジャパンベストレスキューシステム <2453> の子会社バイノスから、福島県郡山市で道路除染業務を受託している。  1月15日に発表した前期(13年11月期)の連結業績は売上高が前々期比8.6%増の53億65百万円、営業利益が同37.2%増の66百万円、経常利益が同65.2%増の49百万円、純利益が44百万円(前々期は30百万円の赤字)だった。人材ソリューション事業が同0.5%増収、同8.2%営業減益(全社費用等調整前)とやや苦戦したが、ビジネスソリューション事業が同24.5%増収、同30.3%営業増益(同)となって全体を牽引し、茨城県・つくばEC物流センター開設費用、障がい者雇用支援サービスの新農園建設費用、除染業務立ち上げ費用などを吸収した。  セグメント別に見ると、ビジネスソリューション事業では、ロジスティクスアウトソーシングや障がい者雇用支援サービスが好調に推移し、主力サービスの収益改善や高付加価値サービスの拡大で売上総利益が増加した。ロジスティクス関連の運営代行サービスは神奈川県で大型案件を受注したようだ。人材ソリューション事業は携帯電話販売業務が拡大したが、派遣法改正の影響も受けて短期業務が伸び悩み、スタッフ募集費用の増加などで減益だった。  今期(14年11月期)の連結業績見通しは売上高が前期比11.8%増の60億円、営業利益が同2.3倍の1億50百万円、経常利益が同2.8倍の1億37百万円、純利益が同2.6倍の1億17百万円としている。ロジスティクスアウトソーシングや障がい者雇用支援サービスが好調に推移し、前期赤字だったキャンペーンアウトソーシングや除染業務が黒字化する。ネット通販市場の拡大も追い風として中期的にも収益拡大が期待される。なお昨年11月に発表した第三者割当による新株予約権発行では、最大4億02百万円の資金調達を行い、成長事業への投資資金に充当する。  株価の動きを見ると、12月16日と12月17日の直近安値800円から急反発して1000円台を回復し、さらに好業績を評価する形で決算発表翌日の1月16日には1349円まで急伸した。その後は利益確定売りが優勢になり、足元では全般地合い悪化の影響も受けて1月27日に935円まで調整した。ただし1月28日には996円まで戻す場面があり、切り返しの動きを強めている。短期的な調整はほぼ一巡したようだ。  1月28日の終値947円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円41銭で算出)は20~21倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS72円70銭で算出)は13倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んだが、週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形だろう。好業績を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
人材サービスのエスプール<2471>(JQS)の株価は、足元で利益確定売りが優勢になったようだが、好業績を評価する流れに変化はなく、昨年9月高値に向けて出直り展開だろう。
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2014-01-29 09:15