中国の「武器輸出額」・・・独仏抜き世界第3位に

 ストックホルム国際平和研究所が16日に発表した「国際間における武器移動の傾向 2014」によると、2010-14年における中国の武器輸出額は独・仏などを抜き、米・ロに続く世界第3位になった。直前の5年間の2005-09年には世界第9位だった。  2010-14年における中国の武器輸出額は05-09年比で143%増だった。武器の国際市場におけるシェアでは米国の31%、ロシアの27%と比べれば相当に小さいが、中国の場合、伸び率が突出した。  米国とロシアの過去五年比の伸び率は20-30%台。他の主要武器輸出国ではウクライナの伸びが70%を越えているが、英国、スペイン、イタリア、イスラエルなどいずれも米ロと同程度だ。ドイツとフランスは輸出額を減らした。中国は独・仏などを抜き、世界第3位の武器輸出大国になった。  中国の場合、武器輸出先が総額中の41%を占めるパキスタン16%のバングラディシュ、12%のミャンマーと、上位3カ国に集中していることも特徴だ。その他の輸出先はベネズエラ、アルジェリア、インドネシア、ナイジェリアなどで、中国が資源を輸入している国との特徴がある。  中国は一方で、2005-09年は世界最大の武器輸入国だったが、10-14年はインド、サウジアラビアに次ぐ第3位だった。中国国内の軍需産業が充実しつつあり、外国製武器への依存度が低下していることを反映していると解釈できる。輸入の61%はロシア、16%はフランス、13%はウクライナからだった。 ********** ◆解説◆  中国の武器輸出は1970年代後半のエジプトへの戦闘機売却で始まった。それまでは友好国に対して武器を無償で供与していた。無償援助を続けたのは「武器輸出で儲けようとするのは資本主義的・帝国主義的」との政治上の建て前があった。  エジプトに戦闘機を「有償で売却」することを決めたのはトウ小平だった。新式兵器開発のための資金が必要との判断だったという。  中国の武器輸出入をみると、「安価な武器を輸出・高度な武器を輸入」という構図は明らかだ。現在も「武器輸出で得た資金を開発にまわす」ことが続いていると考えてよい。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Vladimir Prizemlin/123RF.COM)
ストックホルム国際平和研究所が16日に発表した「国際間における武器移動の傾向 2014」によると、2010-14年における中国の武器輸出額は独・仏などを抜き、米・ロに続く世界第3位になった。直前の5年間の2005-09年には世界第9位だった。(イメージ写真提供:(C)Vladimir Prizemlin/123RF.COM)
china,economic,military
2015-03-17 14:45