中国製造業が苦しむ「怪奇現象」!?=中国メディア

中国国営の新華社はこのほど、「4つの怪奇現象」のために中国の製造業が苦しんでいるとする論説記事を発表した。
第1の怪奇現象として、日本に行けば洗浄機能付き便座や炊飯器、ドイツに行けば刃物、フランスに行けばトランクやアパレルなど、自国民が海外旅行をすれば、自国で製造しているハイエンド製品を争って買い求めることを挙げた。
記事は、「中国の製造病が直面している問題は、いかにして製品の品質とブランド価値を向上させ、消費者の信用を得ること」と評した。
第2の怪奇現象は、「大なたを振るっても小さな分け前しかない」とした。ボーイングやエアバスの旅客機では、中国企業が全行程の3分の1程度を担当するが、利益は10分の1。「iPhone」では、アップル社が利益の6割近くを取り、中国企業は1.8%程度という。
記事はハイエンド製品について、「スマイル・カーブ」の両端を伸ばすことで中国製品の付加価値を高めよと主張。「スマイル・カーブ」とは台湾のパソコン及び関連機器のエイサーを創業した施振栄氏が提唱した企業戦略。
下に凸型の放物線のような曲線で、左側は「研究開発」、中央部分は「製造」、右側は「ブランド性やサービス」を意味する。左右の部分が上に伸びているのは、付加価値が高いことを意味する。施氏は、研究活動やブランド性獲得、サービスの充実に力を入れてこそ、企業は大きな利益を獲得できると主張した。
記事は第3の怪奇現象を「生産過剰なのに輸入」と指摘。工場は在庫の増大で悩んでいるのに、どうしても高い価格の外国製品を輸入することになると論じた。記事は、低付加価値商品から高付加価値商品へと産業構造を転換させねばならないと論じた。
第4の怪奇現象は「無秩序な競争で自滅」とした。例として家電業界を挙げた。熾烈(しれつ)な値引き競争で、姿を消してしまった企業もあり、生き残った企業もすべて「負傷した」と説明。値引き競争に走らざるを得ないのは核心的技術を掌握していないことで、世界に向かって伸びるためにも、技術こそが勝利を得る鍵と論じた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国国営の新華社はこのほど、「4つの怪奇現象」のために中国の製造業が苦しんでいるとする論説記事を発表した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-03-17 15:00