中国主導のAIIB・・・日本の参加拒絶は「非理性的」=中国メディア

中国が主導する金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」に対し、中国メディアの環球網は18日、中国の外交学院日本研究センターの周永生副主任の発言として「日本がAIIBへの参加を拒絶することはあまりに短絡的」と論じる記事を掲載した。
記事は、菅義偉官房長官が17日に行われた記者会見上で「日本のAIIBへの参加の有無に対して慎重な態度を崩さず、現時点で参加を検討していないと発言した」と伝える一方、日本は米国のメンツを潰さずに自国の利益につながる行動を慎重に検討していると主張した。
一方で、「日本がAIIBへの参加を拒絶することは理性的な選択とは言えない」とし、日本がAIIBへの参加を拒絶することは「日本にとっての発展のチャンスを逃すことでもあることだから」と論じた。
続けて、中国がAIIB設立の方針を打ち出すと米国は日本に対してAIIBに参加しないよう要求したとし、日本は米国の要求に従わざるを得なかったと指摘。さらに日本がもっとも懸念しているのは「AIIBが発展することで日米が主導するアジア開発銀行(ADB)の存在価値が薄れることだ」と指摘、だからこそ日本は中国主導のAIIBに対して複雑な感情を抱いているのであろうと論じた。
また記事は、日本は中国がAIIBを通じてアジアの金融についての主導権を握り、アジアにおける影響力拡大を懸念していると主張し、「日本の立場からすればこのような懸念はごく当然」とした。だが、中国は500億ドル(約6兆円)を出資し、50%の株式を取得するものの「参加国が多くなるほど出資金も増え、中国の出資比率も低下する」とした。
さらに、どのような国であってもAIIBに積極的にかかわる国が増えることはアジアにメリットをもたらしてくれるはずだと指摘し、「中国はこれまで明確にAIIBは政治とは無関係にアジアの経済を推進させる存在であることを指摘している」と主張。また、日本がAIIB参加を拒絶することは短絡的であり、自国の利益だけを考慮すべきではなく、アジアをともに発展させるために大局に身を投じるべきであると主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの環球網は18日、中国の外交学院日本研究中心の周永生副主任の発言として「日本がAIIBへの参加を拒絶することはあまりに短絡的」と論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-03-18 12:30