世界の造船業・・・日中韓の「三国志状態」=中国メディア

 中国の鉄鋼関連情報サイト「鋼鉄現貨網」は18日、「日本の造船業は“中韓網”を突破した」と題する文章を発表した。2014年において、中国と韓国が受注した船舶の総トン数合計が下落した一方で、日本だけが総トン数を増やしたという。  文章は冒頭で、日中韓が造船業において世界のシェアの90%以上を占めているとして、造船分野は「三国志状態」と表現。2014年に同3カ国が受注した船舶建造は1496隻と比較的安定していたという。  うち中国の受注は1531万CGT(標準貨物船換算トン)で、13年の40.9%から2.3ポイント落として38.6%になった。  韓国は2013年の33%から3.3%落として29.7%になった。  日本は2013年の13.8%が14年には19.7%など、5.9ポイント増と大きく伸ばした。  受注済だが建造中などで納品がまだの船舶については、中国の場合、13年末時点の38.5%から14年末の39.7%とわずかに伸ばしたが、韓国は13年末から14年末には30.8%とシェアを下げた。日本は15.4%から17.1%とシェアを伸ばした。 ********** ◆解説◆  1980年代まで造船分野で世界のトップを走り続けた日本が中韓に遅れを取るようになったのは、価格競争での対抗が困難になったからだ。円高の追い討ちは、実に痛かった。  しかし日本の造船業界は手をこまねいていたのではなく、統廃合を含め時として「血を流す痛み」の甘受して構造調整を続けた。「高い品質」、「納期順守」という日本の造船業界に対する世界的評価は変わらなかった。高コスト体質の改善と円安が加わって、2014年には造船分野で日本への発注が増えたと考えられる。  2014年1月には、船舶受注シェアで日本が45.9%、韓国30.9%、中国17.6%となり、日本が6年10カ月ぶりに世界首位になった。今治造船が台湾の長栄海運などから世界最大級となる約2万個積みの超大型コンテナ船11隻を受注したことなども影響した。  ただし2015年通年では、原油安などが影響して船舶業界全体が落ち込むだけでなく、低燃費船など日本の高い技術力による優位性が下がるる可能性も否定できない。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国の鉄鋼関連情報サイト「鋼鉄現貨網」は18日、「日本の造船業は中韓網を突破した」と対する文章を発表した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-03-19 13:15