中国製の小型家電・・・アフリカでも「敬遠」の傾向=中国メディア

2014年2月の春節(旧正月)連休では、日本を訪れた中国人観光客が炊飯器や洗浄機能付き便座を争って買う姿が注目を集めたが、自国製家電製品への不信感のあらわれとも言える。
家電関連の情報サイト、中国家電網は19日、「小型家電の高度成長の背景には、品質やサービス、販売の3つのリスクが潜んでいる」と題する記事を掲載した。
同記事は、2014年における小型家電(部品を含む)の輸出額は363億6000万米ドル(約4兆3900億円)で、前年比6.4%の増加だったが、伸び率は6ポイント下落したと紹介した。
伸び率下落の大きな原因は厨房用製品にあった。電気炊飯器は15.2%減少、コーヒーメーカーは32.3%の減少、電子レンジは10.8%の減少さった。
小型家電全体で、日本向け輸出は1.1%の伸び、中東向けは1.2%、ロシア向けは22%の下落だった。
アフリカ向けは1.7%の減少だった。小型家電のアフリカ向け輸出が減少したのは初めて。アフリカ人研究者の1人は「数年前から多くのアフリカ人が中国製小型家電を買うようになった。安かったからだ。ところが品質はひどいものだった」と説明。
現在のアフリカ市場では、日本、韓国、欧州製の小型家電への信用が高まっている。「現在も中国の小型家電は多いが、今後も低価格路線を取るなら、アフリカの消費者を失うことになりかねない」という。
品質に問題があるのは中国国内市場でも同様だ。江蘇省質量技術監督局(品質技術監督局)が最近になり、厨房用小型家電製品100機種について品質を検査したところ、国家標準に合致しているものは全体の73%だった。つまり、3割近くが「不合格品」だったことになる。
記事は、アフターサービスの問題も大きいと指摘。小型家電の場合、故障した際に修理が面倒となると、買い替えてしまうことも多いので、「品質が悪くアフターサービスもなっていない」と、消費者の不満がさらに高まると分析した。
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◆解説◆
中国が「安かろう悪かろう」で失敗した例としては、ベトナムに対するオートバイ輸出がある。輸出開始は1999年で、当初は低価格により市場シェアを8割程度にまで上昇したが、中国企業同士の値引き合戦で利益が出ない構造になった。さらに故障が続出したことでベトナム人消費者に見放された。その結果、2014年ごろまでには日本製オートバイのシェアが8割程度になったという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国製小型家電の輸出が伸び悩んでいる。2014年にはアフリカ向け輸出が前年比で初めて減少した。2014年2月の春節(旧正月)連休では、日本を訪れた中国人観光客が炊飯器や洗浄機能付き便座を争って買う姿が注目を集めたが、自国製家電製品への不信感のあらわれとも言える。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-03-20 10:00