【話題】スマホ市場が成熟期入り、日本の電子部品メーカーにも影響

  世界的にスマートフォンの普及が一巡して市場の成熟期入りが鮮明になってきたようだ。スマートフォン向けハイエンド部品の増産が収益を牽引してきた日本の大手電子部品メーカーにとっても影響が懸念される。   米調査会社IDCが27日に発表した13年スマートフォン世界出荷台数は前年比38%増の10億420万台だった。従来型を含む携帯電話全体の出荷台数は前年比5%増の18億2180万台であり、全体に占めるスマートフォンの構成比が通年ベースで初めて5割を超えた。中国などの新興国市場で安価な製品の普及が加速したようだ。   ただし四半期ベースの13年10月~12月期で見ると、スマートフォンの出荷台数は2億8440万台で増加率は前年比24%増に低下している。先進国を中心に普及一巡感を強めてきたようだ。また新興国市場では安価な製品が大半を占めており、特に中国メーカーの市場シェア上昇が目立っている。   こうした流れはスマートフォン世界2強の業績にも表れ始めた。スマートフォン世界最大手の韓国サムスン電子が24日に発表した13年10月~12月期の連結営業利益は、収益を牽引してきたスマートフォンの減速が影響して四半期ベースで2年ぶりの減益となった。スマートフォンの販売台数が前四半期(13年7月~9月期)を下回り、高機能機種の伸び悩みで平均単価も下落したようだ。   そしてスマートフォン世界2位の米アップルが27日に発表した13年10月~12月期業績は、売上高が過去最高を更新したものの、純利益は前年同期比0.1%減益となった。スマートフォン「iPhone」の販売台数は過去最高を更新したが予想ほど伸びず、タブレット端末「iPad」の平均単価下落もマイナス要因となって4四半期連続の最終減益だった。   いずれもスマートフォンの市場が成熟期に入ったことで、従来のように全体の収益を牽引するのが難しくなったことを示している。今後は新興国市場向けの中低価格機種の開発・販売強化に加えて、部品コストの低減を強力に推進することも予想される。こうした状況は、これまでスマートフォンなど高機能モバイル端末向けハイエンド部品の数量増加が収益を牽引してきた日本の大手電子部品メーカーにとっても、値下げ圧力による部品の平均単価下落やローエンド部品の構成比上昇などが、収益圧迫要因として懸念されることになりかねない。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
世界的にスマートフォンの普及が一巡して市場の成熟期入りが鮮明になってきたようだ。スマートフォン向けハイエンド部品の増産が収益を牽引してきた日本の大手電子部品メーカーにとっても影響が懸念される。
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2014-01-29 14:00