「PM2.5ってなに?」 中国でも田舎では影響を全く感じません

最近日本ではPM2.5に関する告発動画が話題になっているようですね。今日は中国在住だからこそわかるPM2.5の現状をお伝えしたいと思います。
■実際のところどうなの?
ズバリ結論から言うと、筆者の住んでいるところ(福建省福州市郊外、海沿いのど田舎)に限って言うと「全く影響なし」です(笑)。
私も日本にいるころは、中国全体が汚染空気で満ちているかのように想像していましたし、実際日本の友達も出発前に専用のマスクを持たせてくれたりしたのですが、こちらに来てみると、まるで問題なし、道行く人々も「PM2.5ってなに?」ぐらいの感じでマスクをしている人もほとんど見かけません。実はこれにはいくつかカラクリがあって、「福建省」、「田舎」、「海沿い」というのがポイントになります。
・ポイントその1:福建省
PM2.5の発生原因の一つは「石炭の消費」と言われています。中国の長江以北では今も各家庭の集中暖房のために石炭が多く燃やされており、それが原因の一つになっています。
ちなみに福建省を含む長江以南には原則集中暖房は設置されていませんので、よほどの工場地帯でもない限り石炭の消費は北部に比べて少ないわけです。
・ポイントその2:田舎
私のいる「田舎」にはこれといった企業や工場がありません。公園ではのんびりと牛が草を食むような(?)のんびりした田舎なんです(あまりの貧しさに海外密航しての出稼ぎ者を多く輩出するという背景も持ってはいるのですが……)。したがって幸いなことに汚染物質を排出するものがほとんどありません。
・ポイントその3:海沿い
発生したPM2.5は当然風に流されていきます。最近日本で話題になるのもこのためですよね。で、実はPM2.5の影響を大きく受けるのは、汚染物質が風で流されにくい大都市や内陸部、盆地になっている場所なんです。逆に風が常に吹いている海沿いの地方では、PM2.5は停滞することなく流れていき、結果的に受ける影響は最小で済むというわけです。
■中国全土が汚染されているわけではない
以上、あくまでも福建の田舎の視点から書きましたが、ここではPM2.5の影響を感じることはまずありません。私の友人たちも告発動画についてはよく知っていましたが、
「それは北京や北部地方での話で、自分たちには関係ない」
という感じでした。私もそうです。ここにいてPM2.5について見たり聞いたり、実際に体感したりすることはありません。
日本ではメディアが騒ぎたてるため、あたかも中国全土が汚染されているような感じがしますが、実情はそうでもないということです。むしろ風で流される九州地方の方が実際濃度が高いのではないかと考えるほどです。とは言え実際に大変な思いをしている人たちが多いのも事実です。実際にそう言った方たちのリポートと比較してみるのも興味深いかもしれませんね。(執筆者:高山 翔 提供:中国ビジネスヘッドライン)
最近日本ではPM2.5に関する告発動画が話題になっているようですね。今日は中国在住だからこそわかるPM2.5の現状をお伝えしたいと思います。
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2015-03-20 12:30