どうする日本?・・・「AIIB」への態度が曖昧=中国メディア

 英国やドイツなど欧州の国が中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加意向を示したことを受け、中国メディアの新浪財経は19日、同メディアで日本に関するトピックスの責任者を務める蔡成平氏の主張として、「日本のAIIBに対する態度は曖昧(あいまい)であり、今後の展開次第では参加もあり得るのではないか」と論じた。  記事は、AIIBに対する日本の心情は米国と同様に複雑であろうと指摘し、日本は中国が主導するAIIBについて主に「設立の目的」および「運営方法」に疑念を持っていると指摘。  続けて、AIIBの「設立の目的」について、中国政府側の見解として「AIIBは貧困を減らすこと、およびアジアのインフラ建設を目的とし、日米が主導するアジア開発銀行を補完する存在」と紹介した。  一方で記事は、日本のメディアの報道を引用し、「中国側の見解を信じる人は少ない」としたうえで、「世界銀行およびアジア開発銀行はこれまでアジアのインフラ建設に多額の投資を行ってきた」との反論や、「設立に向けての中国側の説明は不十分」との指摘があると紹介した。さらに日本では「AIIBの業務はアジア開発銀行とかなりの分野で重複する」、「中国側には政治的動機がある」といった見方があることを紹介。  続けて、野村資本市場研究所の北京代表処首席代表の関根栄一氏が報告書で、中国がAIIBを設立する目的として「インフラ整備を通じてエネルギー及び食糧の輸送チャネルを確保する」、「中国が保有する莫大な外貨準備のリスクを分散しつつ、新しい国際金融秩序を確立する」、「人民元の国際化を推進する」、「インフラ輸出を促進する」という4つがあると分析したことを紹介した。  また、日本国内の見方として、AIIBの「運営理念や組織の運営方法、融資基準」が不透明との声があがっていることを紹介し、環境破壊や腐敗の温床になりかねないとの指摘があると伝えた。  一方で記事は、日本国内にもAIIBに対して「日本は建設的に向き合うべき」との声があることを紹介、「日本はAIIBに参加するだろうか?」と疑問を投げかけたうえで、在中国日本大使館で経済部参事官を務めた経歴を持つ津上俊哉氏が「現在の日中関係のもとでは難しい」との見解を示したと紹介した。  続けて、日本のAIIBに対する態度は「中国の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に対する態度と同じく曖昧」であり、将来的な加入の可能性を排除していないと指摘。日中関係が好転し、AIIBの運営体制の完備や米国のAIIBに対する態度に変化があれば日本の参加もあり得るのではないかと論じた。  また記事は、「日本が数十年にわたって行ってきた対外援助およびアジア開発銀行の運営経験は、中国およびAIIBにとって貴重である」と伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの新浪財経は19日、「日本のAIIBに対する態度は曖昧(あいまい)であり、今後の展開次第では参加もあり得るのではないか」と論じた。(イメージ写真提供:123RF)
china,economic,japan
2015-03-20 15:30