日本と中国は、もっと近づける! ~2014年の訪日数から見た中国人観光客の動向と展望~前編

 2014年の訪日外国人は、年初の予想を大きく上回り、1340万人を超えました。その中でも、伸びが最も顕著だったのが、中国人観光客です。  尖閣問題の影響を受けて伸び悩んだ中国マーケットも、2013年9月からは一転、17カ月連続で各月の過去最高を記録し、昨年(2014年)は、前年比183%増の241万人となりました。  今年に入って、ますますマーケットが活発化しています。2015年末にはおそらく、、300万人の大台に手が届く状況であり、韓国、台湾を抜いて国籍別で1位になることが期待されています。その背景には、下記の好材料があります。 第1に、ビザ政策の好転(特に、FITビザの緩和) 第2に、円安効果や免税制度改定による日本ショッピング人気 第3に、中国旅游法効果による日本旅行ブーム(2013年10月施行開始) 第4に、2020年の東京オリンピックに向けての活発なインバウンド誘客政策(インバウンド関係予算の拡大)  以上に加えて、将来展望も明るく、2020年には、中国人観光客数は、国が掲げている訪日全体目標2000万人の35%にあたる700万人に達すると予測しています。 ■今後も中国人観光客の増加が予想される2つの理由  その裏付けとして、2つの理由が考えられます。 1. 政治情勢と観光面の関係性の希薄化  まず、1つめは【日中政治情勢の影響による不安材料が払しょくしたこと】です。  直近2-3年で、『中国国民と政治(共産党)との関係』が激変し、政治主導から国民主導となったため、今後、例え日中の政治情勢が悪化しても、観光面や文化面に悪影響が及ばなくなっています。 2. ポテンシャルの高さ  そして、2つめは「ポテンシャルの高さ」です。  中国の人口は13億6千万人です。2014年の来日数は240万なので、まだ全人口の0.18%にすぎません。2020年の700万人でも、全人口のわずか0.5%にしかなりません。  ちなみに、台湾からは昨年283万人が日本を訪れました。その数は、なんと全人口の12%にあたります。韓国も同様に全人口の6%弱が日本を訪れています。大変ありがたいことですが、さすがに、今後大幅に伸びるマーケットとは考えにくいといえるでしょう。  この「ポテンシャルの高さ」には、別の見方がありますが、長くなりましたので、後編でお伝えしたいと思います。(執筆者:近藤 剛 提供:中国ビジネスヘッドライン)
 2014年の訪日外国人は、年初の予想を大きく上回り、1340万人を超えました。その中でも、伸びが最も顕著だったのが、中国人観光客です。
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2015-03-23 06:00