那覇空港の中国人観光客逆走騒動に思うー中国の「我が道を行く」文化

先日那覇空港で、中国人観光客が手荷物受取場から出発ロビーに逆走し、全乗客が保安検査をやり直すなど空港が大混乱した、というニュースがありました。春節期間中のいわゆる「爆買い観光客」が引き起こした騒動でしたが、今日はこの騒動の背景にある(かもしれない?)中国の文化についてご紹介したいと思います。
■「我が道を行く」がゆえに「我が道を歩けない」?
中国で街を歩いていてまず体験することの一つが、実に「歩きにくい」ということです。写真を見て下さい。車道は危ないので歩道を歩いていたら……。パン屋や服屋のキャンペーンの飾り付けが、歩道や路肩の駐車スペースまではみ出していて歩けません。
日用品店が椅子などの商品を歩道に山積みして営業中です。
子供の遊具が堂々と歩道上に設置されています。
バイクが歩道に対し見事に直角に停めてあって通れません。
そんなこんなでそのたび車道にはみ出して歩かざるを得ません。結果 → 車道に人が溢れ → 渋滞する。という悪循環が生じるのです。
要するにみんなが「我が道を行く」(人のことはかまわずに自分のしたいことをする)結果、こちらが「我が道を歩けない」というわけです。
■中国人は良くも悪くも「自己主義」
お互いに気を使い、「相手を考えて」対応する日本人と違い、中国人はあくまで「自己主義」です。自分の意見や権利を主張し、人がどう思おうが気にしません。人口が半端でなく、国土も広大でまだまだ貧しい人も多い中国では、社会の秩序もなかなか確立できない部分も多く、「とにかく自分を主張しなければ生き抜いていくことができない、だから少々ルールからはみ出ても、したいことはしないと」そんな雰囲気があります。
そう、「歩道だろうと何だろうと儲けるためなら利用する」、「ここが一番近くて便利だから停める」その判断に他人という概念は一切ありません。「自己主義」の感覚が自然に身についています。
人目を気にする日本人にとって、とてもマネできない芸当ですが、実際中国に住んでみて、「こうしたら人に迷惑がかかるのではないか」とか考えて「ルールに沿って」していては損をすることだらけ、なかなかに弱肉強食な世界です。自然とたくましくならざるを得ませんよね。だからこちらの人は決して悪気があるわけではなく、ただ「自分の権益は自分で確保する」結果、自己中心主義とも思える行動に出てしまうわけです。
で、那覇空港のあの騒動ですが、あれにもこうした背景が関係していたのではないかと思うのです。決して悪気があったわけではないと思います。人目を気にしてルールを守っていても何ひと一つ得することのない文化で育った彼らにとって、これはある意味自然な行動ではなかっただろうか、そう思わされたニュースでした。(執筆者:高山 翔 提供:中国ビジネスヘッドライン)
先日那覇空港で、中国人観光客が手荷物受取場から出発ロビーに逆走し、全乗客が保安検査をやり直すなど空港が大混乱した、というニュースがありました。春節期間中のいわゆる「爆買い観光客」が引き起こした騒動でしたが、今日はこの騒動の背景にある(かもしれない?)中国の文化についてご紹介したいと思います。
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2015-03-23 06:00