【為替本日の注目点】米金利低下でドル下落、ユーロ戻りを売る展開

 NY市場  ドル円は一時121円台に乗せる場面があったものの、その後急落。FRBの緩和策が長引くとの見方が広がり、長期金利が低下しドル売りにつながった。ユーロドルでもドルが売られ、ユーロは急反発。ユーロドルは1.07台前半から1.08台後半までユーロ高が進行。ユーロ円も再び130円台に乗せる。  株式市場は大幅反発。ダウは168ドル高で1万8100ドル台を回復し、ナスダック指数も最高値に迫る。債券相場は続伸。18日のFOMC声明文が蒸し返され、買いを集めた。長期金利は1.93%台まで低下。金は3日続伸。原油価格も反発し45ドル台に。  ドル/円 119.90 ~ 121.05  ユーロ/ドル 1.0714 ~ 1.0882  ユーロ/円 129.60 ~ 130.70  NYダウ +168.62 → 18,127.65ドル  GOLD +15.60 → 1,184.60ドル  WTI +1.76 → 45.72ドル  米10年国債 -0.040 → 1.930%  本日の注目イベント  欧   ユーロ圏月消費者信頼感(速報値)   米   2月中古住宅販売件数   米   ロレッタ・クリーブランド連銀総裁講演   米   ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演   米   フィッシャー・FRB副議長講演   ドル円は海外市場で一時121円台まで反発する場面もありましたが、そこから119円台後半まで予想外にドル安が進みました。18日のFOMCの声明文が再度蒸し返され、緩和政策が長引くとの見方から長期金利の低下につながりドルを下押ししたものです。  シカゴ連銀のエバンス総裁が講演で、「利上げは2016年まですべきではない」と発言したこともドルの上値を抑えたと思いますが、FRBが利上げに対して慎重に対応するのではないかとの観測が強まっている状況です。  ドル円は121円台が徐々に重くなると予想されますが、一方で株高から「リスクオン」のセンチメントも根強く、ドルがこのまま下げる可能性も低いと思われます。119円台では、ドルを買いたいとする向きもそこそこ見られると考えられます。ドルの上値が重くなりつつありますが、ここは、慎重にドルを拾っていく場面を探していくスタンスを維持したいと思います。  ただ3月半ばの122円台も、ほとんどワンタッチといった状況でした。昨年のような明確なトレンド形成を試みていますが、失敗に終わっています。まだしばらくは、このような状況が続くと見られます。  FOMC声明文後に約600ポイント急騰したユーロドルは、その後上昇幅をほぼ埋め尽くし、やはり上値は重いという印象を見せましたが、再びその半値にあたる300ポイントの上昇を見せています。非常に荒っぽい動きを見せるユーロドルですが、まだユーロの底値を確認したとは言えないのではないでしょうか。ECBの量的緩和はまだ著に付いたばかりです。ユーロ安にともなう景気の回復もまだその兆候が見えません。依然として、ユーロの戻りを売る展開が有利ではないかと考えます。  今週は米GDPの確報値が発表されますが、材料不足の感は否めません。120円を中心に上下1円程度の値動きが予想されます。やはり、4月3日の雇用統計待ちということになります。今後発表される経済指標は、6月利上げを巡っては極めて重要な意味合いをもってきます。その経済指標の結果に一喜一憂する展開がしばらく続きそうな気配です。本日の予想レンジは119円50銭~120円50銭程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は一時121円台に乗せる場面があったものの、その後急落。FRBの緩和策が長引くとの見方が広がり、長期金利が低下しドル売りにつながった。ユーロドルでもドルが売られ、ユーロは急反発。ユーロドルは1.07台前半から1.08台後半までユーロ高が進行。ユーロ円も再び130円台に乗せる。
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2015-03-23 09:15