日本製品の「本質」に共通点・・・「人間的なイノベーション」=中国メディア

 中国の大手ポータルサイト騰訊(テンセント)は22日、「日本の薬を争って買う中国人は何を意図しているのか?」と題する論説を掲載した。同論評は、中国人が日本の家庭薬を評価する最大の理由は先進技術そのものではなく、使用者の立場を徹底的に考えている商品づくりと主張。家庭薬だけでなく、家電製品などにも共通した日本製品の長所と論じた。  論説は冒頭部分で、中国人が争って買う日本製の薬は「最先端の『高級品』ではない」、「単価が数十元(50元=約970円)の家庭常備薬」と指摘。中国人が評価するポイントは「だれでも簡単に、間違いなく使える」ことを徹底させた、日本の家庭薬の消費者に対する徹底的な心配りと論じた。  論説は一例として、子ども用の液体風邪薬(シロップ剤)を紹介。中国の状況として、「風邪をひいた子に薬を飲ませようとしても、子どもは嫌がって泣きわめく場合もあり、母親にとっては大仕事になる」と指摘した上で、日本製の薬は「イチゴや桃などの味をつけている」、「アニメのアンパンマンのキャラクターを採用している」などで、子どもが嫌がらないようにしていると紹介した。  さらに、安全対策として「子どもが勝手に飲むことを防止する特殊な容器」を採用していることにも触れた。  「消費者の立場を徹底的に考えた」家庭薬が一般化した背景としては、当局が認可する際に「専門の薬剤師ではなく、普通の人が使う」ことを強く意識していることも関係があると指摘。説明書も分かりやすく、中国の家庭薬の説明書が、「読んでいると頭がくらくらしてしまう」ような文面であるのとは、まったく異なると論じた。  2015年の春節(旧正月)連休に、日本を訪れた多くの中国人が、洗浄機能付き便座を買ったことは、中国でも大きな話題になった。  論説は、日本製品は家庭薬と便座には「その本質に共通点がある」と指摘。「衣食住や病気になった際など、日常生活の中に(製造側として)考えるに値するニーズが多く存在する」との見方を示した上で、日本の製造業者は「(一般大衆の)求めに最大限に応える。これこそが『人間的なイノベーション』」と評価した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)radub85/123RF.COM)
中国の大手ポータルサイト騰訊(テンセント)は22日、「日本の薬を争って買う中国人は何を意図しているのか?」と題する論説を掲載した。(イメージ写真提供:(C)radub85/123RF.COM)
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2015-03-23 09:45