食べる美容習慣「インナーケア」できてますか? 美肌作りのための成分&食べ物とは

寒暖差が激しく安定しない、冬から春にかけての季節の変わり目は、多くの女性が肌トラブルを抱えがちなシーズン。花粉や黄砂、強くなる紫外線などの外的要因や、新生活による変化やストレスなども、この時期の肌トラブルの要因になる。生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研は、皮膚科医である馬渕知子先生へのインタビューと、女性600名への意識調査を踏まえ、この季節に改めて気をつけたい美容習慣についてのレポートをまとめた。馬渕先生へのインタビューでは、肌を美しく保つための身体の内側からのケア=「インナーケア」の重要性が改めて明らかになった。画像はトレンド総研の「インナーケア」についてのレポートより。
内科学・皮膚科学を専門とし、分子栄養学やアンチエイジング医療なども行うマブチメディカルクリニック院長・馬渕先生は、肌にとって重要なケアについて「肌の状態は、体の内側の状態や内側からのケアが6~7割、外側が3~4割の割合で決まります。内側からの影響の方が強いため、体の中をきちんと保つことが重要です」と指摘する。「内側からケアをしていない状態で外側からケアをしても、肌のトラブルを“隠す”ことはできても、根本的に治らないので、少し改善したとしても再度肌の調子が悪くなりやすい」という。
そして、「栄養は生命に関係するような重要な場所から供給されると言われており、皮膚への栄養供給は後回しになる可能性があります。ですから、常に皮膚へ栄養が行き渡るくらいの十分な栄養を摂っていないと、肌には良い影響がなかなか出てきません」と解説する。
このため、内側のケア=インナーケアにあたっては、「摂取する食べ物に気を付けること、そして、腸内環境をきれいに保つことが重要です」とアドバイス。馬渕先生は、「『肌は腸の鏡』という表現がありますが、肌をきれいにするためには腸内環境の改善が一番の近道と言っても良いくらいです」と語っている。
腸は、体の内部ではあるが、顔の皮膚から口の中をたどって腸まで続いている皮膚の一部とも言える。「口から摂取した栄養は腸で吸収されますが、健康的な状態の腸は“選別能力”に優れていて、体にとって良いものと悪いものを選り分けるような働きも持っています。ですが、腸の状態が荒れてしまっているとその能力が弱まり、体にとって不必要なものや悪影響を与えるようなものまで吸収してしまう可能性があります。吸収されたものは血液を通して全身をめぐり、それが肌にも影響をもたらすことがあるのです」という。
実際に腸内環境を良い状態に保つために効果的な成分や食べ物については、「発酵食品や酵素が含まれているものが良いでしょう。発酵食品は手軽なものでヨーグルトや納豆などがおすすめです。例えばいつもの食事に毎食ヨーグルトを加えるだけでも随分変化があるのでは。酵素は新鮮な生の野菜や果物で多く摂取できるので、スムージーのようにジュースにして飲むのも良いですね」とアドバイス。
また、成分としては、「コラーゲンペプチドやアテロコラーゲンが適しているといえます。吹き出物や肌荒れといった悩みを抱えている場合は、乳酸菌や酵素類も一緒に摂ることを心がけてください。シミなどにはビタミンC、美白は最近ではプラセンタが効果的だといわれています。乾燥など肌の表面が気になる場合は、セラミドを摂取するのも良いでしょう」と解説する。さらに、インナーケアとしては、きちんとお風呂に浸かって体を温める、適度な運動で全身の血の流れを良くするということもあげている。
ただ、「やはり毎日の食べ物から取り入れることが、簡単で続けやすいのではないでしょうか。自分の肌の悩み・症状や体の状態を見極めて、必要な栄養素を毎日の食事で習慣付けながら摂取すること、同時に、サプリメントや美容ドリンクなどで適宜有効な成分をプラスすることで、今よりもさらに健康的で美しい肌、腸に近づけると言えます」と語っている。
一方で、30~59歳の女性600名を対象にした「美容習慣と“インナーケア”に関する意識・実態調査」(調査期間:2015年2月25日~2月26日)では、普段取り入れているスキンケアは、「化粧水や乳液など、基礎化粧品をつける」(64%)、「紫外線対策を行う」(42%)など、外側からのケア(アウターケア)が上位に並んだ。「健康食品やサプリを摂取する」(26%)、「肌に良い食べ物や飲み物を摂取する」(19%)など、インナーケアを実践している人は、やや少ない結果になった。
ただし、「肌・美容のために“インナーケア”は必要だと思いますか?」と聞くと、95%が「思う」と回答し、その必要性や重要性は多くの人が認識している。それにも関わらず、実際にインナーケアが十分にできていると感じている人は、わずか5%で、大多数の人が、インナーケアの重要性に気づきながらも取り入れられていないという実態がわかった。
インナーケアが十分にできていない理由は、「体によい食事・食べ物を用意するのが手間だから」(40%)がもっとも多く、「体にいい食事・食べ物は価格が高いから」(34%)、「何が効果的な食事・食べ物なのかわからないから」(34%)などの回答が続いた。
そして、63%の人が、サプリメントによるインナーケアよりも「食事・食べ物によるインナーケアの方が効果的だと思う」と回答していることから、具体的にどのような食べ物を取り入れたいのかを調査した。その結果、「肌のために取り入れたことがある食べ物」は、1位が「ヨーグルト」(51%)、そして、「くだもの」(44%)、「緑黄色野菜」(42%)の順だった。また、「肌のために今後(も)取り入れたい食べ物」は、1位が「ヨーグルト」(51%)、「くだもの」(46%)、「緑黄色野菜」(42%)と同じような結果になった。特に「ヨーグルトは肌にいいと思いますか?」という質問に、94%が「思う」と回答し、ヨーグルトには、ほとんどの女性がポジティブなイメージを持っていることがわかった。
また、「日常的に摂取するような身近な食事・食べ物で“インナーケア”ができるとしたら、取り組みたいと思いますか?」と質問すると、89%が「取り組みたい」と回答。手軽で身近な食事・食べ物での“食べる肌美容”として、“インナーケア”のニーズが非常に高いこともわかった。(編集担当:風間浩)
生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研は、皮膚科医である馬渕知子先生へのインタビューと女性600名への意識調査を踏まえ、この季節に改めて気をつけたい美容習慣についてのレポートをまとめた。
business,company
2015-03-23 20:00