【為替本日の注目点】米金利との相関が重要に、ユーロ売り場を探る
NY市場
やや上値が重くなったドル円は、米長期金利の低下を背景に119円22銭までドル安が進んだ。その後はドルを買い戻す動きが活発となり、昨日の水準まで値を戻し119円70-80銭で引ける。ユーロ圏のPMIが市場予想を上回ったことからユーロドルは一時1.10台前半まで続伸したが、FOMC後の高値を超えられず反落。
株式市場は続落。特段株価下落の材料はみられなかったものの、利益確定の売りに押された格好で金融株などが下落。ダウは1万8000ドルを維持したものの、下げ幅は100ドルを超える。債券相場は続伸。2月の消費者物価指数が引き続き低位だったことから買いが優勢となり、長期金利は2月初旬以来となる、1.87%台まで低下。金は小幅ながら5日続伸。原油も小幅に上昇。
2月消費者物価指数 → +0.2
1月FHFA住宅価格指数 → +0.3%
2月新築住宅販売件数 → 53.9万件
ドル/円 119.22 ~ 119.98
ユーロ/ドル 1.0890~ 1.1029
ユーロ/円 130.34 ~ 131.50
NYダウ -104.90 → 18,011.14ドル
GOLD +3.70 → 1,191.40ドル
WTI +0.06 → 47.51ドル
米10年国債 -0.037 → 1.873%
本日の注目イベント
豪 RBA 金融安定報告書を公表
独 独3月IFO景況指数
米 2月耐久財受注
米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
上値が重くなってきたドル円はNY市場の朝方には、119円22銭までドル売りが進みましたが、その後は値ごろ感から買い戻しも入り、昨日の東京時間と同じ水準まで戻っています。ある程度想定内の動きでした。米長期金利の低下傾向が続き、1.87%台までの低金利は2月5日以来の水準です。株価との関連が薄れる中、米金利との相関が引き続き相場の方向性を見る上では重要なファクターと見られます。
相場の方向性を決定付ける材料が乏しいため、市場の関心は要人発言にも向けられています。昨日は、サンフランシスコ連銀のウイリアムズ総裁が、政策引き締めについての議論が年央になりそうだとの見解を示し、セントルイス連銀のブラード総裁は「当局が実際に決定を下す日が訪れ、その日に市場にサプライズをもたらすようなことになれば、調整が起こり、その動きは激しいものになる可能性がある」と述べています。
利上げのタイミングが市場予想と異なった場合には、金融市場に混乱がおこる可能性に言及しています。本日も「ハト派」の代表格である、エバンス・シカゴ連銀総裁の講演が予定されています。
相場は上にも下にも抜けきれず、市場参加者も攻めあぐねている様子が窺えます。特にドル円は121円台が徐々に重く感じられる状況になっており、かといって下値も昨日のNYで見られたように、119円台前半ではドル買い需要も見られる展開です。足元では、株価を見ながらの売り買いもあまり機能しない状況で、ここは、小刻みに利益を確保するか、もう少し長いスパンに立って、ドルを仕込むタイミングを探るしかありません。
ユーロドルはまだ、値動きがあるため手がけやすいかもしれません。昨日はユーロ圏のPMIが良かったことから、ユーロは続伸し、1.10台に乗せましたが、FOMC後に記録した1.1062には届かなく、反落しています。戻りは1.12台程度までと予想していますが、基本的にはテクニカルを慎重に見極め、ユーロの売り場を探るスタンスで良いと思われます。
1日を通したらそこそこ値幅はあるものの、東京時間では活発な動きは見られません。上述のように、株価を見ながらの売買も余り機能しなくなっており、ここは様子を見るしかありません。日経平均株価も、米国株が下落してもその影響は限定的で、すぐに切りかえしてくる状況です。おそらく、日経平均株価がどこかで大きく調整した際には、ドル円も予想以上に円高が進むこともあるのではないかと考えます。本日の予想レンジは119円20銭~120円20銭程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
やや上値が重くなったドル円は、米長期金利の低下を背景に119円22銭までドル安が進んだ。その後はドルを買い戻す動きが活発となり、昨日の水準まで値を戻し119円70-80銭で引ける。ユーロ圏のPMIが市場予想を上回ったことからユーロドルは一時1.10台前半まで続伸したが、FOMC後の高値を超えられず反落。
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2015-03-25 09:45