個人情報の取扱いに不安を感じる人が約7割、情報提供前に「Pマーク」の確認を=JIPDEC

 個人情報の取扱いに関して71.8%が気になっているが、トラブルに直面した時でも「特に何もしていない」が45.9%――一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が実施した一般消費者1000人アンケートの結果、企業等が収集する「個人情報」の取扱いについて多くの人が気になっているものの、実際に情報漏えいなどのトラブルが発生した時に、約半数が具体的な対応策などを実施していないことがわかった。調査を行ったJIPDECでは、「個人情報を安心して提供するため、個人情報を適切に取り扱っている企業であることを示す『プライバシーマーク(Pマーク)』が付与されている企業かどうかを確認しましょう」と呼びかけている。画像は「個人情報に関する意識調査」より。  JIPDECは、プライバシーマーク制度やISMS(情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価)制度、マイナンバー対応支援など、個人情報や情報セキュリティの観点から、企業の信頼性確保、コンプライアンス確立に向けた取り組みの支援を行っている。  今回、一般の消費者の個人情報に関する関心度や、企業のサービスを利用する際にどのようなことを確認するか、また、企業の個人情報の取扱いに関してどのような不安や不信を抱いているかなどについて具体的に把握するため、2015年3月5日~3月6日にネオマーケティング社のWEBアンケート方式で「個人情報に関する意識調査」を実施。20代~60代の5階層における男女各100名、合計1000名の回答を分析した。  まず、「あなたの個人情報を企業等がどのように取り扱っているか、気になりますか」と聞いたところ、71.8%が「気になる」と回答。20代(68.5%)、30代(62.5%)は60%台だったものの、40代(72.0%)、50代(75.0%)、60代(81.0%)と年代が上がるほどに、「気になる」という回答が増えた。  また、インターネット上でのサービス利用時や申し込みの際の会員登録など、個人情報を入力・記入する機会が増えているが、その際に「どのようなことを確認していますか」と聞くと、「会社の信頼性(ネームバリュー、ブランド)」が44.0%でトップ。次いで、「個人情報の取扱いに関する説明(プライバシー・ポリシーなど)」(30.0%)、「SSLによるデータ暗号化の有無」(26.3%)、「個人情報保護に関わる認証(プライバシーマークなど)の有無」(26.0%)などが上位にきた。ただし、「特に何も確認していない」(29.3%)が3割近くにのぼった。  一方、「これまでに個人情報の取扱いに関して、不安や不信に感じたことはありますか」という質問には、68.7%が「ある」と回答。1000人中で732人が個人情報に関するトラブルの経験があると答えた。トラブルの内容は、「迷惑メールが届くようになった」(51.5%)がトップ。以下、「心当たりがない会社からDMが届いた」(25.3%)、「不正アクセスによる流出」(18.8%)、「心当たりがない会社から売り込み電話が頻繁にかかってくるようになった」(18.2%)、「コンピュータウイルスの感染による流出」(17.0%)など。  そこで、トラブル経験があるという732人に、その後の行動(対応や対策など)を聞いたところ、全体のほぼ半数(45.9%)が「特に何もしていない」という回答だった。その他、「メールアドレスを変えた」(22.5%)、「セキュリティ対策ソフトを入れた」(12.4%)、「ネット上の書き込みなどを調べてみた」(11.6%)、「心当たりがある会社へ問い合わせをした」(11.2%)、「サービス及び商品の購入・利用をやめた」(10.1%)などという結果だった。  調査を行ったJIPDECは、今回の調査について、約7割が企業等の個人情報の取扱いに関して「気になる」と回答し、その取扱いについて不安や不信感をいだくと回答した人も7割近くに上るにも関わらす、個人情報のトラブルを経験した人の約半数が「特に何もしていない」と回答していることを重視。「特に何もしていない理由は、『対応に手間がかかる』『対応方法や問い合わせ先がわからない』など様々あるかと思われますが、トラブル後に、何らかの行動をおこすことは、なかなか難しいようです。そこで、個人情報を提供する前に、『プライバシーマーク(Pマーク)』をチェックしてみませんか」と呼びかけている。  プライバシーマークは、個人情報を適切に取り扱う企業を示すマークで、個人情報保護法よりも高いレベルで個人情報の取扱いを求めているJIS規格(JIS Q 15001)を認定基準とした審査を受け、認定された企業だけが使用できる。このため、プライバシーマークを付与されている企業は、個人情報の取扱いが適切であるという判断材料のひとつになる。  今回の調査でも、「個人情報を適切に取り扱う企業かどうか識別できる仕組み(マークなど)があると良いと思いますか」という質問に、85.9%が「そう思う」と回答。「プライバシーマーク」の有無が、ひとつの判断材料を提供している。この「プライバシーマーク」はJIPDECの登録商標で、無断使用は禁止されている。現在の付与事業者は約1万4000社。(編集担当:風間浩)
個人情報の取扱いに関して71.8%が気になっているが、トラブルに直面した時でも「特に何もしていない」が45.9%――
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2015-03-25 11:15