日本と中国は、もっと近づける!・・・2014年の訪日数から見た中国人観光客の動向と展望~後編

前編に続き、【中国のポテンシャル】に関して別の見方から話を再開します。
2014年の中国人の出境旅行者(外国渡航者)は、なんと1億1600万人に達しました。2010年から、わずか4年で2倍に拡大しています。今年以降も同様に伸び続けるに違いないでしょう。
ちなみに、2014年の渡航先の内訳をみると、香港、マカオ、台湾を除いて、最も多く訪れたのは韓国の600万人(5%)です。第2位はタイの400万人(3.5%)と続いています。日本は第3位で、わずか240万人(2%)です。それを考えると、まだまだ伸びる余地が大いにありそうです。
中国人観光客の魅力は、人数の多さだけにとどまりません。最大の魅力は、日本滞在中の消費額の高さです。観光庁から発表された2014年外国人消費動向調査では、インバウンド全体の旅行中総支出額は2兆円を超えました。その中で、中国は、5600億円と全体の27%を占めました。
特に顕著なのが、買い物消費額です。なんと中国人観光客は、1人平均13万4000円の買い物をしています。その額は、全国籍平均の2.5倍にあたり、総額ベースでは、3230億円とインバウンド全体の45%を占めています。まさに、日本の経済を押し上げる存在とも言えるでしょう。
今年の春節(旧正月)時期には、日本のあちこちで、たくさんの中国人観光客の姿を見かけました。たくさんのメディアで「中国人観光客の爆買い」の様子が報道され、私としても大変嬉しく感じていました。
しかしながら、中国人観光客がもたらすものは、単に、“爆買い”だけではありません。その現象面だけでなく、日本にとっては非常に大きな意義があります。
第1に、「日中の政治関係の改善」
第2に、「日中の民間交流の促進」
第3に、「日本経済の立直し」です。
そういった日本の課題を、すんなり解決してくれる大きなムーブメントなのです。現状の動向、及び、将来展望を考えると、いかに中国人観光客への期待が大きいかは明白です。「日本と中国はもっと近づける」、と信じてやみません。(執筆者:近藤 剛 提供:中国ビジネスヘッドライン)
2014年の中国人の出境旅行者(外国渡航者)は、なんと1億1600万人に達しました。2010年から、わずか4年で2倍に拡大しています。今年以降も同様に伸び続けることは間違いないでしょう。
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2015-03-26 09:45