中国で新たな「ビジネスチャンス」か?・・・「自転車」に需要高まりの兆し

 中国で、改めて「自転車」が注目されている。かつては出勤時間ともなれば、街の大通りが自転車で埋め尽くされた。しかし自動車の普及とともに、自転車は減った。改めて注目されているのは「持続可能な経済や社会を目指す」との政策に関連するという。メーカー各社は新商品開発にしのぎを削っている。  光明日報は26日付けの記事で、福建省厦門(アモイ)市海滄区の取り組みを紹介。同区は2003年に「公共自転車システム」を導入した。利用カードを使えば、行政が用意している「公共自転車」を利用できる。カード発行数は3万6000枚に達し、市民の18%が公共自動車を利用している。2015年3月までの利用者は延べ344万人に達した。  海滄区は海に面しており、行政は緑化を含む環境整備に力を入れてきた。自転車は市街地や郊外の公園や景勝地を訪れるための「住民の足」になっているという。また、平日には「子どもの送り迎えに公共自転車を利用」という住民も多い。  中国でかつて、自転車の利用が多かった理由は、技術力が高くなくても大量生産が可能で、安価に供給できるという特徴があった。ただし、組み立てが粗雑な場合も多く、新しい自転車を購入した場合、ただちに街中の自転車屋で「オーバーホール」してもらうのが“生活の知恵”だった。「安かろう悪かろう」と言わざるを得ない現実があった。  しかし最近では、「高級自転車」に対する需要が高まってきた。実用品としてではなく自転車を「健康増進や楽しみのために」求める人が増えたからだ。  さらに、「楽しみ」のために購入したスポーツタイプの高級自転車を「通勤の足」とする人も目立ちだしたという。政府系情報サイトの中国発展網によると、「自転車通勤族」は主に1990年以降に生まれた若い世代で、交通渋滞の影響を避けられるという実用面以外に「低炭素・環境保護のエコ生活を実践」と周囲にアピールできることも魅力なのだという。  中国の自転車メーカーにとっては新たなビジネスチャンスであり、「ユーザーの心をつかむ」新たなモデルの開発に、しのぎを削っている。  中国の代表的通販サイトのアリババの自転車販売ページを見ると、比較的高価なマウンテンバイクでも500元(約9540円)以下の商品が多いが、ただし「炭素繊維使用」と謳うなどで7000元(約13万3600円)以上で販売されている自転車もある。(編集担当:如月隼人)(写真は自転車ブームを伝える中国発展網の頁キャプチャー)
中国で、改めて「自転車」が注目されている。「持続可能な経済や社会を目指す」との政策に関連するという。メーカー各社は新商品開発にしのぎを削っている。(写真は自転車ブームを伝える中国発展網の頁キャプチャー)
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2015-03-26 15:00