【妻と夫の株ロマン】大塚家具の騒動は捨て身の策か
★☆妻と夫の株ロマン☆ 時々の話題を夫婦の会話でお届けします★
■広告宣伝代に換算すれ億単位の効果、ニトリ株価にどこまで近づくか
高級家具名門の大塚家具<8186>(東1・売買単位100株)は、父娘の経営件争いが世間の注目集めた。お家騒動を、妻と夫が裏読みすれば・・・・。
【妻】 大塚家具が親子喧嘩の様相で話題になりました。長女が社長を続けることになったようですが、ヘソ曲がりの見方が好きなあなたは今度の件をどう見ていますか。
【夫】 歳を重ねると、表面の出来事をありのまま素直には受け取れなくなる。もともとヘソ曲がりだから歳とともに益々、斜めから物事を見るようになってしまう。今度の件を、ひとまず、父親の会長、長女の社長という肉親の関係を横に置いて、「大塚家具」という法人としてみるとどうなるかで、見てみよう。
【妻】 人間臭さを外して見る、ということですか。
【夫】 そうだね。大塚家具という会社が、今度の騒動で得をしたか損をしたかで僕は眺めていたよ。
【妻】 当然、信用をなくするような騒動ですから、会社は「損」したのでしょ。
【夫】 僕は、そうは思わないよ。
【妻】 なぜですか。
【夫】 いいかい、今度の騒動はテレビ、新聞、雑誌などほとんどのマスコミが一斉に取り上げた。仮に、これだけマスコミに露出したとすれば何億円という広告代になると思うよ。うまい、宣伝をやったものだと僕は思っているよ。1円も広告宣伝費を使わないで、大塚家具に世間の目を向けさせたのだから、たいしたものだと僕は思っている。
【妻】 でも、騒動をわざわざ引き起こしてまで宣伝効果を狙うかしら。
【夫】 そこは、見方の分かれるところだろうが、大塚家具の業績を見ていると、「捨て身の策」に出たのではないかとみている。ニトリやIKEAなどの進出で業績は大苦戦だ。ここ10年間の成績で見ると営業赤字が3回も含まれている。しかも、過去10年間の営業利益最高53億5000万円(2005年12月期)は、もはや手の届かないものとなっている。直近、2014年12月期の営業損益は赤字4億200万円に落ち込み、今12月期については見通し数字は出ていない状態だ。株価も上場来高値3万7400(99年7月)に対し、昨年2月には970円と4ケタを割るところまで下げていた。
【妻】 だから、会長は従来のやり方に磨きをかけて業績を図ろうとされたのでしょ。
【夫】 ここからは、再び、親子関係の人間臭さを加えて見ると、僕の勝手な見方ということを断っておくけど、僕も会長と同じくらいの年齢だから子供のことを考えたら自分が悪者になってやろうという気持ちになると思う。とくに、創業者ほど時代の変化には敏感に気づいているはずだ。ニトリ、IKEA、良品計画といった品質が良く価格も手ごろなライバルの登場で昔のような高級品中心の売り方だけでは通用しなくなっていることは分かっておれると思う。
【妻】 それで、父の会長が悪者役を演じて世間の注目度を高めたということですか。
【夫】 僕はそうみているよ。以前から仕えてきた役員も会長と共に経営から去り、長女がすっきりした形で経営に取り組めると思われる。父親は長女の経営手腕は評価していたと思うよ。この先、捨て身と思われる今度の策がどう出るか。答えは業績と株価によって照明される。とくに、株価では、かつてニトリを上回っていただけに、現在のニトリ8300円台に対し同社1400円台がどこまでサヤ(株価の開き)を縮小できるかが注目される。
(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
高級家具名門の大塚家具<8186>(東1・売買単位100株)は、父娘の経営件争いが世間の注目集めた。お家騒動を、妻と夫が裏読みすれば・・・・。
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2015-03-30 15:00