元駐在員の中国口座、凍結の危機か　本人確認通達の内容

　中国に駐在したことがあり、ためたお金をそのまま中国の口座においている人は少なくないと思います。今では銀聯カードで買い物ができますし、手数料は安くないですが日本でも引き出しもできますので、なおさら中国の銀行に置きっぱなしにしている人も多いのではないかと思います。そんな元駐在員に恐ろしい知らせがあります。写真をご覧ください。中国工商銀行の個人顧客に対するお知らせです。 　　銀行として本人確認を改めて行うということなのですが、その対象として、 （１）　２００７年６月３０日以前に身分証で本人確認して人民元預金口座を開設した人 　　これは非中国国籍の人には関係のない話です。 （２）　戸籍簿、パスポート、軍官証等の身分証以外のその他の証書で本人確認して口座開設した人 　非中国国籍の人はパスポートを本人確認資料として口座開設しています。私もそのひとりです。 　この２種類の人に関しては「あらためて本人確認します」という通告であり、確認ができなければその口座からの出金や振り込みといった操作ができなくなるというものです。 　上記は中国工商銀行からの通知ですが、「全国の現有の個人人民元銀行預金口座の関連身分情報真実性確認業務の展開に関する指導意見」に基づきて行われるものであり、そもそもこの指導意見は２０１３年１０月２５日公布、そして同日施行された、【銀発［２０１１］２５４号】という番号のある、れっきとした政府通達です。 　そのため、他の銀行でも同じことが行われることが十分に考えられます。日本に帰任された元駐在員にこのような知らせが果たして届くかというと、連絡先を携帯電話にしていた場合、その連絡を受けることはできなくなっていますし、電子メールもひょっとすると今は使っていないアドレスを登録しているかもしれません。 　連絡が取れなくなると銀行として本人確認することができず、そうなると出金手続きができなくなってしまい、せっかくため込んだ口座が凍結されてしまうかもしれません。これは一大事ですぞ！（執筆者：呉明憲　提供：中国ビジネスヘッドライン）