【為替本日の注目点】120円台維持なるか、期末・ドル売り需要も

 NY市場  ドル円は欧州市場が始まったころから上昇し、NY市場では1週間ぶりとなる120円台に乗せ、120円23銭までドルが買われる。NY株が大幅に反発したことで、リスクオンの流れがやや戻った格好。ユーロドルは反落。ギリシャが救済資金を受け取るために欧州当局と合意するのは、まだ時間がかかるとの見方が広がる。ユーロドルは1.08台でもみ合い。  株式市場は大幅に続伸。M&Aが好感されたことや、住宅関連の指標が好調だったことが背景。ダウは263ドル上昇し、1万8000ドルに届く水準で引ける。債券相場は小幅に続伸、短かめの国債が買われたことで、長期債も上昇し、金利は小幅に低下。金、原油は共に続落。  2月個人所得         → +0.4%  2月個人支出         → +0.1%  2月PCEコアデフレーター  → +1.4%  2月中古住宅販売成約指数   → +3.1%  ドル/円 119.83 ~ 120.23  ユーロ/ドル 1.0810~ 1.0864  ユーロ/円 129.77 ~ 130.20  NYダウ +263.65 → 17,976.31ドル  GOLD -14.50 → 1,185.30ドル  WTI -0.19 → 48.68ドル  米10年国債 -0.008 → 1.952%  本日の注目イベント  独   独3月雇用統計   欧   ユーロ圏2月失業率   欧   ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)   英   英10-12月期GDP(確定値)   米   1月ケースシラー住宅価格指数   米   3月消費者信頼感指数   米   3月シカゴ購買部協会景気指数   米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演   米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演   米   ロレッタ・クリーブランド連銀総裁講演   米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演   ドル円は昨日の東京時間には20銭ほどしか値幅がなく、海外市場でも小動きかと思われましたが、夕方からドルが買われ、ほとんど一方的に上昇しました。中国が緩和策を強化したとの報道もありましたが、それ以外は特段ドルを買う材料は見あたらなかった中、NYでは1週間ぶりとなる120円台前半までドル高が進みました。  雇用統計までは118-120円程度のレンジを予想していましたが、早くも上振れしており、「やはりドル高基調は変わっていない」と言いたいところですが、なかなか方向感が読めないというのが正直なところです。  NYでは経済指標が多く発表されましたが、中古住宅販売成約指数以外は、予想とそれ程かわりません。この中古住宅販売成約指数は、これまで材料にされた記憶はほとんどないのですが、昨日は市場予想の「+0.3%」に対して「+3.1%」と大きく上振れました。最近では多くの住宅関連指標が予想を下回るケースが多かったことから、今後の住宅市場の活況にやや期待が膨らんだというところです。  NY株式市場が大幅続伸し、ダウは2月3日以来、8週間ぶりの大幅高でした。上記住宅関連指標がしっかりしていたことに加え、「マージャー・マンデー」の言葉通り、M&Aのニュースが好感され、株価の上昇につながったようです。株価がこのまま上昇に転じてくれれば、ドル円にも好材料ですが、まだこのまま上昇するかどうかは不透明です。  18日のFOMC以降、利上げのタイミングが後ずれしてきたにも関わらず、株価は調整を続けて来ました。利上げのタイミングを巡っては、まだまだ株価の上昇トレンドを描くことは難しそうで、NYの株式市場からは「この日の最大の材料は、大きな悪材料がなかったことだ」(ブルームバーグ)といった冷めた声も聞かれました。  テクニカルを見ると、ドル円は「4時間足」にレジスタンスが見られます。120円台半ばには「120日線」と「雲の上限」があり、ここを抜け切ればもう一段の上昇も見込めるようですが、1週間ぶりの120円台ということと、本日は期末というこもあり、ドル売り需要もそこそこありそうに思います。120円台を維持できないようなら、結局また118-120円のレンジに戻る可能性が高いと思われます。予想レンジは119円60銭~120円50銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は欧州市場が始まったころから上昇し、NY市場では1週間ぶりとなる120円台に乗せ、120円23銭までドルが買われる。NY株が大幅に反発したことで、リスクオンの流れがやや戻った格好。ユーロドルは反落。ギリシャが救済資金を受け取るために欧州当局と合意するのは、まだ時間がかかるとの見方が広がる。ユーロドルは1.08台でもみ合い。
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2015-03-31 09:30