季節の変わり目の体調不良には今注目のALA(アラ)!ミトコンドリアを活性化し細胞から改善

今注目のアミノ酸ALA(アラ)
昼夜の寒暖差が大きくなる季節の変わり目は、体調の変化が起こりやすい。そのような不安定な体調の改善に、私たちのカラダを作っている60兆個という細胞そのものを活性化するというアプローチが注目されている。1つの細胞に数百~数千個ある細胞内小器官のミトコンドリアのメカニズムの解明が進んだことで、ミトコンドリアでつくられる「5-アミノレブリン酸(通称:ALA=アラ)」が、細胞のエネルギー生産を活性化する重要な役割を担っていることがわかってきた。ALAは、近年、日本抗加齢学会や世界糖尿病予防学会などで研究発表が相次ぎ、医療分野での活用にも注目が高まっている。ALAが不妊の改善にも役立つという報告もある。細胞を活性化する働きあるという「ALA」について取材した。画像はALAサイエンスフォーラム第2回セミナー発表資料。
ALAの体内での働き
ALAは、アミノ酸の一種で、ミトコンドリア内でつくられる。体内で鉄分と結びつくことによって「ヘム」という物質になり、ミトコンドリア内においてはコエンザイムQ10と連携し、エネルギーを作り出している。この他にも、血液中で酸素を運ぶ役割を果たすヘモグロビンの原料となり、抗酸化酵素(カタラーゼ)となって体内の活性酸素を除去する酵素になり、肝臓内で毒素を分解する酵素になるなど、重要な働きをすることがわかってきている。
ALAの量は加齢に伴い減少
ただ、ALAは加齢などを理由に体内での生産量が減少することが研究から明らかになっている。また、ALAの生産量が減少することに伴い、ミトコンドリアの活性が減少することも研究から明らかになっている。筑波大学の研究からは、ミトコンドリアの活性は20代と比較して60代では約半分になるという研究が発表されている。
ミトコンドリアの機能が低下するとこんな症状が…
ミトコンドリアの機能が低下すると、エネルギーを十分に作り出すことが出来なくなるため、慢性的に続く疲労や肌荒れなど、体の不調の一因となる。また、科学技術振興機構(JST)と筑波大学の研究からは、ミトコンドリアの機能が低下し、エネルギーが欠乏することで男性不妊の原因になることも発表されている。
ALAの利用による生活習慣病などの予防
このように、ALAとミトコンドリアの働きが解明されてきたことで、ALAを使ったヘルスケアの研究が進んでいる。東京工業大学の研究からは、ラットを利用した試験においてALAを摂取することでミトコンドリアの活性が向上するという研究論文が発表されている。広島大学及びハワイ大学のそれぞれが実施した研究からは、生活習慣病の予防に関して、ALAを摂取することで、空腹時血糖と食後血糖が改善されるという研究論文が発表されている。また、京都府立大学からは、メタボリックシンドロームの予防に関して、ラットを利用した試験においてALAを摂取することで内臓脂肪が減少するという研究成果が発表されている。そのため、ALAを摂取し、ミトコンドリアの機能を高めることによって生活習慣病の予防やメタボリックシンドロームの改善に繋がる新しい治療法の開発が期待されている。
ALAを摂取するには効率良く摂取するには
私たちが、通常の食生活で摂っているALAは、1日あたり約50マイクログラム(0.05mg)。ところが、尿として1日約2000マイクログラム(2mg)のALAを排泄しているという。ALAは黒酢やワインなどの発酵食品に多く含まれる。また、イカ、タコ、牛肉などの動物性食品、ほうれん草、かいわれ大根、ピーマン、トマト、バナナなど植物性食品などにも含まれている。ALAサイエンスフォーラムで報告された食品に含まれるALAの含有量は、100グラムあたりに、「黒酢」は150マイクログラム(0.15mg)、「ワイン」には100~173マイクログラム、「タコ」が78.4マイクログラム、「イカ」が38.4マイクログラム、「バナナ」が31.6マイクログラム、「納豆」が25.0マイクログラム、「ピーマン」が18.1マイクログラム、ほうれん草13.8マイクログラム、トマト9.8マイクログラムなどとなっている。ALAを補うためには、バランスのとれた食生活を心がけることが大切だとされる。現在は、ALAを配合したサプリメントなども販売されているので、手軽に摂取することもできる。
季節の変わり目で、疲れやすく感じるときには、意識してALAが多く含まれる食材を食べるようにしたい。(編集担当:風間浩)
昼夜の寒暖差が大きくなる季節の変わり目は、体調の変化が起こりやすい。そのような不安定な体調の改善に、私たちのカラダを作っている60兆個という細胞そのものを活性化するというアプローチが注目されている。
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2015-03-31 11:15