中国人はなぜ堂々とパクったり、ニセモノを作るの?

 「海賊版DVD、偽ブランド」ーー。中国にはこうしたイメージもあります。確かに中国にはニセモノが横行しています。ではどうして彼らは堂々とパクったり、ニセモノを作ったりするのでしょうか? 今日はその背景について考えてみたいと思います。 ■「形のないものの権利」に対する概念がない?  こちらで生活して感じることの一つが、「具体的な形が存在しない権利」(肖像権とか著作権、免許など)に対する概念がないということです。  例えば免許だと「運転できるのに、どうしてわざわざお金を出して免許証を取らないといけないの?」(実際に筆者は聞いたことがある)というわけです。実際無免許でバイクを運転している人はかなり多いです。あまりの多さに警察もたまにしか取り締まりをしません。多勢に無勢、いくら取り締まっても後から後から湧いて出てくるので、まるで果てしないイタチごっこの様相を呈しています。  パソコンのOSもまたしかりで、中国のパソコンに入っているWindowsXPはほとんどが正規版ではありません。しかも普通に自動アップデートされます。  友人のPCがアップデート後にインターネットエクスプローラーが使えなくなってしまい、私は「海賊版だからだろうな」と思っていたのですが、持ち込んだPCショップの解決策は、ファイヤーフォックスをインストールして「次からこっちを使ってね」で終わりでした。(笑)  そのような訳で今もほとんどのPCはWindowsXPです。「サポート切れで危険なのでOSを買い替えましょう」という宣伝はここでは全く効果がありません。とにかく形のない権利のためにお金を払うという行為が理解できないようです。 ■「ソックリ」を飛び越えて「全く同じもの」  こんな感じで著作権や肖像権といった概念がありませんから、「そうしたら売れるのだから真似して儲けるのは当然」ということになります。  そのため例えば「NIKE」を「NIEK」としている商品などはまだ良心的な方で、ほとんどの商品はラベルや形など完全に同じように作ってあります。  ちなみに筆者は「TUMI」のブリーフバッグと「PORTER」のショルダーバッグを持っています。「タオバオ」という中国で超有名な通販で購入したのですが、どちらも価格は日本円で2000円以下(!)でした。まあさすがに手に取った感じですぐに「本物ではないな」とわかりますけどね(笑)。  そんなこんなで、街には実に様々なニセモノが堂々と溢れかえっています。話のタネに今度帰国の際はいくつか持ち帰ろうかと考えています。また機会があったら、そんなニセモノたちをご紹介しますね。(執筆者:高山 翔 提供:中国ビジネスヘッドライン)
「海賊版DVD、偽ブランド」中国にはこうしたイメージもあります。確かに中国にはニセモノが横行しています。ではどうして彼らは堂々とパクったり、ニセモノを作ったりするのでしょうか? 今日はそんな背景について考えてみたいと思います。
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2015-04-02 10:30