世界的な「価格暴落」も・・・中国「鉄鉱石採掘」の勢い止まず

世界的に鉄鉱石価格が下がっている。オーストラリアから中国向けの鉄鉱石価格は1日、前日比で3.9%値下がりして1トンあたり49ドル(約5800円)になった。2008年以来の安値という。ところが、中国が海外で展開している鉄鉱石採掘プロジェクトが、価格維持のための減産を行う気配はない。
中国は資源確保を目的に、国外における鉄鉱石採掘プロジェクトに力を入れてきた。中国は鉄鉱石生産は世界最大だ。品質が悪いなどの問題はあるが、「大資源国」であることは事実だ。海外における資源確保に力を入れたのは、自国における需要急増を念頭に置いたからと考えられる。
どころが、2014年には鉄鉱石の国際価格が急落した。中国国内の経済成長の鈍化にともなうだぶつきが原因だった。同年通年で価格が50%下がり、15年になってからも30%ほど下落した。しかし、中国が海外で展開している鉄鉱石採掘プロジェクトが、価格維持のための減産を行う気配はない。
中国資本のコングロマリット「CITICパシフィック」はオーストラリア中部で、同国最大の磁鉄鉱採掘プロジェクトを進めている。中国に向けた第1回の積み出しは2013年12月だった。
鉄鉱石価格の暴落で同プロジェクトは赤字状態とされている。しかし「CITICパシフィック」は2-16年まで継続して、生産ラインを拡充する方針を変えていない。
「CITICパシフィック」の“強気”については、中国は将来にわたる資源供給源の確保を大きな目的としており、そのために減産という「後退」を拒絶しているとの見方がある。
中国政府は、「鉄鉱石の50%を“自国の鉱山”から供給する」ことを将来的な目標に置いているとされる。この場合の“自国の”とは「自国領」ではなく「自国が確保する」の意であり、具体的にはペルー、南アフリカ、オーストリアでの鉄鉱石生産に取り組んでいるという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
世界的に鉄鉱石価格が下がっている。オーストラリアから中国向けの鉄鉱石価格は1日、前日比で3.9%値下がりして1トンあたり49ドルになった。2008年以来の安値という。ところが、中国が海外で展開している鉄鉱石採掘プロジェクトが、価格維持のための減産を行う気配はない。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-04-02 15:45