中国経済の「イノベーション・レベル」・・・勝負はこれから!=中国メディア

 中国メディア・科技日報は3日、「経済の“イノベーション・レベル”をどのように判断するか」とする評論記事を掲載、判断基準を示したうえで、中国のイノベーション状況について評価した。  記事はまず、国や地域を含む経済機構のイノベーションレベルを判断する基準として「生産率」、「投資率」、「排出率」の3指標を提示。生産率を「もっとも中心的な指標」とし、現状で広く通用し、容易にデータの取得や比較ができる数値として“GDP”を挙げた。  続いて「生産率」の向上がイノベーションによるものであると判断するためには、イノベーションに対する投資の度合いすなわち「投資率」を示す必要があると説明。「投資率」は研究開発への投資と、人的資源および特許申請・認可など知財権に関する非研究開発セクションへの投資の2つから構成されるとした。  そして、「生産率」をさらに高めるには、イノベーションを通して排出物を削減に最大限取り組む必要性があることを指摘。「排出率」もイノベーション・レベルを測る指標に加え、二酸化炭素排出率が実際の指標として用いやすいと説明した。  記事は互いに関係しあうこれら3つの指標を総合することで「イノベーション度指数」をはじき出すことができるとしたうえで、中国のイノベーション・レベルに対する4つの判断を示した。  1点目は、中国がすでに低レベルなイノベーションの段階から、中レベルの段階へと上昇したものの、高レベルにはまだまだ遠いというもの。  2点目は、今後5年以内に高度なイノベーション国に向けた“離陸段階”に入り、この段階が10年以上は続く見込みであるというもの。  3点目は、高度イノベーション国に向けた離陸の準備段階においては、労働生産率の向上と排出率のコントロールが重点になるというもの。  そして4点目は、経済体制改革や科学技術体制改革が、イノベーション国に向けてのカギになるというものだ。  記事は最後に、中国はハイテク分野で確実に技術力を高めている一方で「総じて原始段階にあってイノベーション能力に欠け、核心的な技術や設備をよそから引き込む状況は変化していない」とし、「この状況は『イノベーション国に向けた離陸の準備段階』という評価と合致しているのである」と論じた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディア・科技日報は3日、「経済の“イノベーション・レベル”をどのように判断するか」とする評論記事を掲載、判断基準を示したうえで、中国のイノベーション状況について評価した。(イメージ写真提供:123RF)
china,technology,economic
2015-04-03 11:00