時間を貯めて交換できる「time wallet」、将来のインフラめざしサービス開始

 H2H(本社:東京都中央区)は、時間を貯める使うアプリ「time wallet」について2015年4月2日、東京・赤坂においてプレス発表会を開催し、「2017年に加盟店2万店、アプリのインストール430万人をめざして、本格的なサービス提供を開始する」(H2H代表取締役の木村雄幸氏)と宣言した。プレス発表会では、「time wallet」に東京モデル事務所OASIS Agencyが運営する「女子ペディア」が新規加盟したこと、また、韓国市場に進出を決定したことを発表。待ち時間や店舗への滞在時間などの「時間」を、他のサービスを受けられる「時間」に交換するという、「時間」をコンセプトにしたポイントサービスを、海外展開を視野に入れてスタートする。(写真は、「time wallet」プレス発表会で。中央の右がH2H代表取締役の木村雄幸氏)  「time wallet」は、専用アプリケーション(無料)をスマートフォンにインストールし、加盟店に設置したBeaconが発する電波を利用者のスマートフォンが検知し、チェックイン(入場)、チェックアウト(退場)の時間差を計算し、その場で使った「時間」を貯めていくことができる。貯めた時間は、「min(ミン)」という単位で蓄積され、アプリで紹介するタイムクーポンと交換することで、様々なサービスを楽しむことができる。  たとえば、昨年12月から試験的に実施したタクシー(加盟社:グリーンキャブ)では、タクシーにBeaconを搭載し、タクシーの乗車時間という「時間」を貯めることができる。「Beaconをタクシーに乗せているだけなので、運転手には何の負担もないが、お客さまは乗っている時間分が他のサービスに転用できる“min”として溜まっていくので、渋滞に巻き込まれても、その分“min”が溜まると前向きに感じていただけた。新しいサービスの形として活用の価値があると感じた」(グリーンキャブの代表取締役社長の高野公秀氏)という。  また、新たに加盟した「女子ペディア」は、所属する女子大生モデル約100名に、Beaconを持たせることで、「女子大生モデルに会う」という機会をプライベートイベントと位置付け、「女子大生モデルに会っている時間が貯まる」という取り組みを開始するという。「Beaconを持つことで、一人ひとりのモデルが店舗の役割を担い、女子大生に会いに来たファンの行動データなどを活用してモデルのステイタスに活かすなどの工夫をしていきたい」(OASIS Agencyの代表の鵜池航太氏)と、新たな取り組みに活かす。  貯まった「min」を使う方では、エニイタイムズの日常サポートサービスなどのサービス時間との交換が可能。「time walletで貯まった時間を、たとえば、エニイタイムズのお買い物代行サービスで使っていただければ、店舗での待ち時間等が、実際には自分でしなければならない買い物の時間と交換でき、ご自身はもっと大事な時間に使えるなど、これまでと違った時間の使い方ができるようになる」(エニイタイムズ代表取締役ファウンダーCEOの角田千佳氏)と、「time wallet」を使った“時間の交換”という概念が、日常生活のあり様を変えるきっかけになると期待する。  H2Hの木村氏は、「time walletで貯められる“時間”はリアルな時間に等しく設定し、1分間を1minに置き換えるが、1minを何秒に置き換えるかは、サービスを提供する加盟店の任意に設定できる。60minがカラオケ店の利用時間1時間に置き換わることもあれば、英会話レッスンの30分間、あるいは、マッサージの10分間という交換もある」という。  「time wallet」を「minを貯める」ことに使う加盟店は、「minが貯まる」という付加価値を提供できる。反対に、「minを使う」ことに使う加盟店は、「minを使ったサービス」を提供することによって、新たな顧客へのサービス機会を得ることができる。「一般にクーポンサービスは、既存のお客さまへの割引サービスとして活用されているが、time walletを使うことによって、まったく接点のないお客さまとの接点を持てる他、ポイント原資が無料、かつ、導入費用や運営(月額数千円~)のコストが安いことから、加盟店にとってtime walletを導入するメリットは大きい」(木村氏)と解説する。  使用するBeaconは、StickNFind製の防水防塵タイプ。1度の充電で1年~1年半は電波を発信し続ける。  当面は、関東圏の1都3県での加盟店の拡充をはかり、1年後には加盟店1万店をめざすという。さらに、「time wallet」で貯められ使われた時間のデータをビッグデータとして活用することで、各店舗の滞在時間を始め、様々なサービス改善の情報として利用することも検討していく。  そして、韓国での事業展開をはじめるなど、当初から海外展開を展望。「将来は、海外で貯まった時間を日本で消費するなど、国際的な時間交換が当たり前に行われるようなインフラとして成長を遂げたい」(木村氏)と将来を展望していた。(編集担当:風間浩)
H2H(本社:東京都中央区)は、待ち時間や店舗への滞在時間などの「時間」を、他のサービスを受けられる「時間」に交換するという、「時間」をコンセプトにしたポイントサービスを、海外展開を視野に入れてスタートする。
business,company
2015-04-03 13:30