カルピスの香りの癒し効果を社員が体感、恵比寿本社に「発酵リラックスルーム」を開設

アサヒ飲料は、乳酸菌飲料の「乳酸菌と酵母」から生まれる香りに“癒し”の効果があることに着目し、2015年4月3日からカルピス恵比寿本社2Fに「発酵リラックスルーム」を開設した。社員が就業中、自由に休憩し、リフレッシュすることができるスペースとして活用していく。乳酸菌飲料の香りが自律神経に働きかけ、「癒し(リラックス)」効果をもたらす可能性が高いことに着目し、その効果を社員自身が体験できる場としても活用する。(写真は、「発酵リラックスルーム」内の香り発生装置とRELAX WALLの一部、サーチナ撮影)
「発酵リラックスルーム」は、「乳酸菌と酵母」の発酵から生まれた乳酸菌飲料の香りに含まれる香気成分を部屋の中に拡散する香り発生器を備え、乳酸菌飲料の力の源である“乳酸菌と酵母の発行”の映像「発酵MOVIE」を流すモニターがある。また、もたれかかることによるリラックス効果の促進を狙った柔らかい素材で作られた壁「RELAX WALL」で囲まれている。自身のリラックス度を、指先の指尖脈波から心拍数を測定して測定できる「Lifescore Quick」という機器も自由に使うことができる。
カルピス社の研究所員が、「カルピス」発売以来、日々乳酸菌の研究を行う中で、研究所内に漂う“乳酸菌飲料の発酵過程で生まれる香り”の中にいると、「気分が穏やかになる」「イライラしない」という実感を持っていた。この研究所員の体験を、研究所以外のカルピス社員の気分転換に活用してもらうのが「発酵リラックスルーム」の役割。
社員には、休憩時間以外の就業中も、1回5分程度、大切な会議や、商談、プレゼン前に、この部屋を利用することができ、リラックスした心身状態で仕事に臨むことを推奨されている。
カルピスの発酵応用研究所が行った研究では、「乳酸菌と酵母」の発酵から生まれた香りが、(1)自律神経調整への影響=リラックス効果(交感神経活動の抑制、および、副交感神経活動の亢進)、(2)日周リズム(一日の体のON/OFFのリズム)改善への影響、(3)不安感の低減への影響――など、「癒し」効果があることを動物実験で確認した。2014年3月に日本農芸化学会で研究成果を発表している。研究の監修を行った大阪大学名誉教授の永井克也氏(ANBAS代表取締役社長)が、「香りによる刺激で、自律神経変化と日周リズムのリズム改善効果に、これほど有意な差が確認できた事例は経験がなく、画期的な研究」と語っている。
カルピス発酵応用研究所の川口恭輔氏は、「香りによる癒しの効果は、乳酸菌と酵母で発酵した場合に出る香りだけに確認されました。乳酸菌だけ、酵母だけの香りでは有意な効果が確認できなかったため、乳酸菌と酵母で発酵させた発酵乳の独特の香りに効果があるといえます。この効果は、ヒトでも検証中で、その研究結果は5月末の学会で発表します」と研究成果を語っている。
この「乳酸菌と酵母」による香りは、カルピスの独自の製造工程で生まれる。カルピスは、生乳から得る脱脂乳を「カルピス」菌と名付けた乳酸菌によって一次発酵させ、それを熟成・加糖した上で、酵母を使って二次発酵している。今回の“癒し”効果が確認された香気成分は、二次発酵の段階で生まれる香りだった。
カルピスは、「1919年の発売以来、100年近く愛され続けている『カルピス』は、単においしいだけではない“チカラ”があるはずと考え、2011年から社内プロジェクトとして“1杯の『カルピス』のチカラ解明”に取り組んできました。2019年の発売100周年を経て、次の100年にも変わらず愛飲いただけるよう、研究によって明らかになったカルピスのチカラを、積極的に情報発信していきたいと思っています」(アサヒ飲料執行役員カルピス事業部長の相生宏之氏)としている。
カルピスブランドの製品には、今年3月中旬から順次「乳酸菌と酵母の生み出すチカラ」という新・シンボルマークを記載するようにし、テレビCMなどで「カルピスのチカラ」について情報を発信していくとしている。(編集担当:風間浩)
アサヒ飲料は、乳酸菌飲料の「乳酸菌と酵母」から生まれる香りに“癒し”の効果があることに着目し、2015年4月3日からカルピス恵比寿本社2Fに「発酵リラックスルーム」を開設した。
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2015-04-03 17:45