【為替本日の注目点】雇用統計受けドル急落、日本株の反応に注目

 NY市場  3月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を大きく下回る12.6万人だったことからドルが急落。ドル円は119円台後半から、118円71銭までドル安が進んだが、市場参加者が少なかったこともあり、その後は小動き。ユーロドルでもドル安が進み、10日ぶりに1.10台までユーロが買い戻される。ユーロ円も131円近辺までユーロ高が進む。  3月失業率       → 5.5%  3月非農業部門雇用者数 → +12.6万人  ドル/円 118.71 ~ 119.99  ユーロ/ドル 1.0870~ 1.1027  ユーロ/円 130.32 ~ 130.97  NYダウ  → 17,763.24ドル  GOLD  → 1,200.90ドル  WTI  → 49.1ドル  米10年国債 -0.072 → 1.840%  本日の注目イベント  日   2月景気動向指数   欧   主要市場は休場(イースターマンデー)   米   3月ISM非製造業景況指数   米   3月労働市場情勢指数(LMCI)   米   ダドリー・NY連銀総裁講演   3月の米雇用統計が発表されましたが、サプライズでした。市場予想の「24.5万人」を大きく下回り、FRBの目標である「20万人」をも下回る、「12.6万人」でした。この数字は、2013年末以降で最も少ない伸びになっています。また、2月と1月の雇用者数も下方修正され、どうやら順調に拡大を続けてきた労働市場にも、ブレイキがかかってきた可能性があります。  もちろん、単月だけで雇用情勢を判断するわけにはいきませんが、雇用だけが順調に拡大しており、その他の経済指標には既に黄色信号が灯っていた状況を考えると、景気の鈍化が雇用にも影響を与え始めたとも考えられます。今後の雇用統計がますます重要な意味を持ってくるということです。  雇用者増の予想外の鈍化で、6月の利上げの可能性はほとんどなくなったと思われます。これで、利上げがさらに後ずれし、2016年になるといった見方は時期尚早ですが、FRBが利上げに関して、より慎重になるのではないでしょうか。今回の内容が例外で、今後20万人を超える状態が続くのではないかと予想していますが、9月の利上げの可能性は依然として残っていると考えます。  債券王と称され著名な、ビル・グロース氏は、ブルームバーグのインタビューで、米国の雇用の伸びが減速しても、金融当局は8月か9月に利上げを実施するとの見方を示してます。その理由として、金融当局が2008年以降続けている事実上のゼロ金利政策の正常化を望んでいることを挙げています。  先週末は「グッドフライデー」であったため、NY株式市場が休場で、債券市場も短縮取引でした。そのため、それらの市場が為替市場に与える影響を見極めることが出来ませんでした。特に株式市場がどのような反応を示すのかが、重要です。「利上げが先送りになる」ということで、株価が上昇すれば、ドル円もそれ程ドル安円高には振れにくいと思われますが、景気そのものが悪いから雇用の伸びが減少したと捉えられれば、株価の下落につながることも考えられます。  まずは、日本株がどのような反応をみせるのかを見極めたいと思います。本日もイースターマンデーのため、ロンドンやフランクフルトなど、主要市場は休場です。従って、東京市場が引けた後、NY市場が始まるまでは閑散とした取引になるものと思われます。予想レンジは118円20銭~119円50銭程度とみます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
3月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を大きく下回る12.6万人だったことからドルが急落。ドル円は119円台後半から、118円71銭までドル安が進んだが、市場参加者が少なかったこともあり、その後は小動き。ユーロドルでもドル安が進み、10日ぶりに1.10台までユーロが買い戻される。ユーロ円も131円近辺までユーロ高が進む。
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2015-04-06 09:30