【為替本日の注目点】豪RBA利下げのタイミングか、相場に影響大
NY市場
ドル円は連休明けの株価が上昇したことや、長期金利の上昇にドル買い安心感が広がり119円68銭までドル高が進む。先週末の雇用統計の結果や、この日のNY連銀総裁の言葉などから利上げ観測が後退したことも材料に。ユーロドルは小動き。ドル円で、円が売られた割にはユーロはしっかり。1.09台後半から1.10台でもみ合う。
株式市場は上昇。利上げが遅れるとの見方が広がり、株価を押し上げた。ダウは117ドル上昇し、その他主要指標も堅調。債券相場は反落。原油価格が急騰したことで、インフレ期待が高まった。長期金利は1.89%台まで上昇。金は反発。原油もサウジアラビアがアジア向けの原油価格を引き上げたことで、2ヶ月ぶりの水準まで上昇。
3月ISM非製造業景況指数 → 56.5
3月労働市場情勢指数(LMCI) → -0.3
ドル/円 118.92 ~ 119.68
ユーロ/ドル 1.0910 ~ 1.1036
ユーロ/円 130.43 ~ 131.30
NYダウ +117.61 → 17,880.85ドル
GOLD +17.70 → 1,218.60ドル
WTI +3.00 → 52.14ドル
米10年国債 +0.058 → 1.898%
本日の注目イベント
豪 豪2月小売売上高
豪 RBAキャッシュターゲット
日 3月マネタリーベース
欧 ユーロ圏3月製造業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏3月非製造業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏3月生産者物価指数
米 2月消費者信用残高
米 IMF、世界経済見通しを公表
米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
先週末に雇用統計が発表されましたが、株式市場は休場だったため、連休明けどのような反応を見せるのか注目されていましたが、雇用者の増加傾向が鈍化したことで、利上げが遅れるとの見方から株価は上昇しました。また、ダドリーNY連銀総裁の発言も株価にはプラスに働いたようにも思います。FRBが公表した労働市場情勢指数も「マイナス0.3」と、こちらも前月比で悪化しており、この日は「利上げは急がない」との見方が相場を支えた格好でした。
ダドリー総裁は、「3日に鮮明になった3月の労働市場の軟化が、私が今想定しているよりも著しい労働市場の減速を予兆するものかどうか、状況の展開を注視することが大事だ」と述べ、利上げのタイミングについても、「データ次第であり、将来の経済動向が完全に予想できないため、依然見極めにくい」と語り、金融引き締めは「比較的低い軌道を進むものと想定している」と述べるなど、初回利上げ後もその後の利上げのペースは緩やかなものになるとの認識を示しました。(ブルームバーグ)
この発言内容は、特段これまでの発言と異なっているわけではなく、「ハト派」のメンバーのそれと一致しています。今回の雇用者数はサプライズではあったが、これが一時的なものなのかどうかは、まだ判断できないとのスタンスです。
今週から、アルミ大手の「アルコア」を皮切りに決算発表が始まります。トムソン・ロイターの事前予想では、大手500社で前年同月比2.8%の減益が予想されており、その要因は「ドル高」の影響が大きいとの調査が出ています。ドル高の影響は、P&Gなど、グローバルに事業展開している企業ほど大きいと見られていますので、今後予想通り決算内容が下振れするようだと、こちらはドル売り材料になるかもしれません。
また、上述のように、毎月雇用統計発表後の月曜日に発表される労働市場情勢指数(LMCI)も、前月比悪化しており、前月分も「4.0」から「2.0」に下方修正されました。現時点では年内に利上げが実施されるとの見方は崩れていませんが、マクロ的にはそのタイミングが徐々に先にずれて来ているように見受けられます。今後も経済指標には注目していかなければなりません。
本日はオーストラリア準備銀行が理事会を開き、政策金利を発表します。市場の見方はほぼ半々に分かれており、個人的には利下げの可能性の方が高いと予想しています。資源価格の低下は依然として止まらず、景気てこ入れの観点からも利下げのタイミングは近いと予想されます。
さらなる利下げは住宅バブルにつながるとの見方もありますが、先週発表された住宅建設許可件数は前年同月比マイナスでした。利下げが仮に見送られても、あるいは実施されても、今回は相場への影響は大きいと思われます。発表は午後1時半です。本日のドル円のレンジは118円80銭~120円程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は連休明けの株価が上昇したことや、長期金利の上昇にドル買い安心感が広がり119円68銭までドル高が進む。先週末の雇用統計の結果や、この日のNY連銀総裁の言葉などから利上げ観測が後退したことも材料に。ユーロドルは小動き。ドル円で、円が売られた割にはユーロはしっかり。1.09台後半から1.10台でもみ合う。
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2015-04-07 09:30