ちょっと待った!「日本の不動産購入」・・・イイことばかりじゃないよ=中国メディア

新華社系のニュースサイト「新華網」は5日付で、「中国人が日本の不動産を買う。どんな算盤なのか」と題する記事を掲載した。購入の理由としては「円安」、「自然環境」、「建物が高品質」「子孫に残せる」などを挙げた上で、資産運用の面からは日本における相続税の高さなどを考慮する必要があると指摘した。
税の問題ではまず、購入時も売却の際にも課税され、毎年の固定資産税もあると紹介。相続税については、不動産を購入しても「孫の代になればなくなる」との言い方を紹介。さらに「中国人が日本で大金を投じて不動産を購入すれば、後になり日本の国庫に貢献することになる」と皮肉を効かせた。
時間経過による価値下落については「日本では下落幅が大きい」として、木造家屋の場合には特に、20年で物件評価額がゼロになると主張した。また、マンションの場合には50年が経過すれば、住民の話し合いで建て替えることもあり、資産価値については「論じがたい」との見方を示した。
記事はさらに、東京と近隣県での不動産価格の落差を知らずに、損をする場合もあると指摘。また一般の保険は地震や津波、火山の噴火による被害は対象になっておらず、地震保険に加入しても災害時の支払い上限が問題になると指摘した。
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◆解説◆
日本の不動産購入熱は、まず台湾人の間に広まり、大陸人にも移ったとされる。「機を見るに敏」を旨とする中国人だ。円安は日本の不動産購入の大きな動機になる。日本には「環境汚染を克服した国」との定評もある。
「日本の建物が高品質」であるとの評価には、地震も関係している。例えば2011年の東日本大震災でも「犠牲者の多くは津波によるもの。建物倒壊による死傷者は、地震の規模からして考えられないほど少なかった」などと、盛んに報じられた。
「子孫に残せる」との評価には土地所有についての制度が関連している。中国は、土地はすべて国の所有として、使用権だけを売買する制度が採用されている。一般的な住宅目的ならば、政府が最初に土地使用権を売却した時点での権利期間は70年間だ。
中国で「持ち家政策」つまり個人による住宅購入の推進が始まったのは1990年代なので住宅用地の「70年問題」はまだ発生していない。今後については、期限切れになったらさほど高額ではない事実上の「更新料」で継続使用が認められるとの見方が強いが、不安は残る。中国人にとって、日本で不動産購入は「土地も確実に子孫に残せる」との安心感があるという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
新華社系のニュースサイト「新華網」は5日付で、「中国人が日本の不動産を買う。どんな算盤なのか」と題する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-04-07 14:00