【為替本日の注目点】NY株一進一退でドル買い慎重、微妙な値位置
NY市場
ドル円は順調に上昇し、欧州市場では120円台に乗せ、NY市場では120円45銭までドルが上昇。約2週間ぶりの水準をつける。特段ドルを買う材料はなかったものの、ユーロドルでドル高ユーロ安が進んだことが影響した。ユーロドルは前日から100ポイントほどユーロ安が進む。
株式市場は3日ぶりに反落。一時はM&Aを材料に上昇する場面もあったが、引けにかけて値を崩す。ダウは5ドル安。債券市場は小幅に上昇したが、水準は先週末とほぼ変わらず。金は反落し、原油価格は続伸し、今年の最高値を更新する53ドル95セントで引ける。
2月消費者信用残高 → 155.1億ドル
ドル/円 120.03 ~ 120.45
ユーロ/ドル 1.0803 ~ 1.0885
ユーロ/円 130.00 ~ 130.79
NYダウ -5.43 → 17,875.42ドル
GOLD -8.00 → 1,210.60ドル
WTI +1.84 → 53.98ドル
米10年国債 -0.012 → 1.886%
本日の注目イベント
日 2月国際収支
日 3月景気ウォッチャー調査
日 日銀金融政策決定会合
日 黒田日銀総裁記者会見
欧 ユーロ圏2月小売売上高
米 FOMC議事録(3月17、18日分)
米 ダドリー・NY連銀総裁講演
米 企業決算 → アルコア
ドル円はNY市場で120円45銭まで上昇し、先週末の雇用統計発表前の水準を上回りました。市場予想の半分程度まで落ち込んだ雇用者数の減少を、多くの市場参加者が一時的なものだと判断したということでしょうか。特に、イースター開けの欧州市場でドルが買われたことは、雇用統計ショックは既に消化された印象もあります。ドル円は、このところのレンジの上限までドル高が進んでいます。
120円台半ばはある意味、重要な値位置です。ここを抜けると、121円台も見えてくることになり、3月20日以来のドル高水準となるからです。特に、ここでドルを買う理由は見当たりません。NYの株価は一進一退で、長期金利は低下傾向にあります。そして、そもそも経済指標は下振れ傾向を示している状況です。
加えて、利上げのタイミングは後ずれしており、来年にずれ込むという見方さえ出ている状況です。昨日も、ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁は講演で、年内にFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を引き上げるのは「間違いだ」との認識を示しています。(ブルームバーグ)
相場観的に言えば、ここからのドル買いは慎重にならざるを得ませんが、テクニカルではやや変化が見られます。「日足」では、3月10日に記録した122円02銭を頂点とするレジスタンス・ラインを、昨日上抜けしています。レンジ相場を上に抜けたことを示していますが、このまま上昇するかどうかは現時点では微妙だと言うしかありません。
「MACD」を見ても、丁度ゴールデンクロスをする状態で、さらにドルがもう少し上昇すると、「プラス圏」に入ります。つまり、早めに方向性を示唆するトレンド・ラインでは既にドル高を示してはいますが、その他の指標では転換を示す一歩手前にいる状況で、「微妙」な値位置ということになります。ただ、ここからの上値は重い中、それでも120台を維持しているようなら、上記テクニカルの変化も頭の片隅に入れておくべきでしょう。
今日はNYの株価がやや軟調な割りには、シカゴ日経平均先物は堅調でした。今朝の新聞にも、投信の設定が活発で個人マネーが流入しているとの報道もあります。株価とドル円の相関関係が以前ほど強くないとは言え、株の上昇がドル売りにはつながりにくいのは事実です。株価が昨日に引き続き大幅に上昇するようだと、ドルが昨日のNYの高値を試す展開も予想されます。レンジは119円50銭~120円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は順調に上昇し、欧州市場では120円台に乗せ、NY市場では120円45銭までドルが上昇。約2週間ぶりの水準をつける。特段ドルを買う材料はなかったものの、ユーロドルでドル高ユーロ安が進んだことが影響した。ユーロドルは前日から100ポイントほどユーロ安が進む。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2015-04-08 09:30