日本の「ファッションホテル」・・・努力と工夫で「産業化」=中国メディア

 中国メディアの環球網は5日付で「日本の情侶酒店(カップルホテル)の歴史と現状」と題する記事を掲載した。いわゆる「ファッションホテル(解説参照)」を産業としてとらえ、客のニーズへの対応や設備やサービスの向上に努めた結果、「巨大産業に成長した」と詳解した。  記事は冒頭部分で、ファッションホテルの1日当たりの利用者は日本の総人口の1%に当たる約137万人、年間利用者は延べ5億人に達すると指摘。年間売上高は約4兆円で、日本政府が威信をかけて推進する自動車産業の大手企業やアニメ産業に比べても遜色のない巨大産業に成長したとの見方を示した。  現在のファッションホテルに近い形態の宿泊施設は1920-30年代にも存在し、利用料金が1円だったことから「エンシュク」と呼ばれたと紹介。戦後になってからは1950年代後半に成長しはじめ、80年代には3万軒を超えたと論じた。  早い時期には「売春との結びつきが強かった」としながら、現在では「必ずしもそうではない」と指摘。家族と同居する若い夫婦が利用する場合も多いとして「日本の住居は狭い場合が多い。現在のファッションホテルはカラオケや衛星テレビなど娯楽設備を備え、飲食物のサービスも充実」と、ファッションホテルは日本の住宅事情の問題点を補うサービスを提供しているとの見方を示した。  さらに、ロビーには人がいない場合が普通で、従業員も利用者と顔を合わせないようにしていると紹介。利用手続きも無人化して利用者のプライバシーに配慮している場合もあるなど、利用者側の気持ちを配慮した営業方式にも注目した。  記事は最後の部分で、現在の「ファッションホテル業界」は、一時ほどには盛況でないかもしれないとの見方を示した上で、バスルームの各種装置、カラオケ、Wi-Fi、日焼けマシンなど、顧客を呼ぶための施設の充実が図られていると紹介。さらに、高級ホテルでの仕事の経験がある調理師を雇っての料理提供サービスを行ったり、独身男女によるパーティーの場としての利用を図ったりと、業者がさまざまな創意工夫をしていることを紹介した。 ********** ◆解説◆  ファッションホテルには他にも「ラブホテル」、「レジャーホテル」など、示す範囲が多少異なる場合はあるが、さまざまな呼称がある。  「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(風営法、風適法)の第二条八-6-四では「専ら異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む。以下この条において同じ。)の用に供する政令で定める施設(政令で定める構造又は設備を有する個室を設けるものに限る。)を設け、当該施設を当該宿泊に利用させる営業」と定義されているために「4号ホテル」と呼ばれる場合もある。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの環球網は5日付で「日本の情侶酒店(カップルホテル)の歴史と現状」と題する記事を掲載した。いわゆるファッションホテル(解説参照)を産業としてとらえ、客のニーズへの対応や設備やサービスの向上に努めた結果、巨大産業に成長したと詳解した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-04-08 18:00