大幸薬品は鳥インフルエンザ流行と業績期待で昨春急騰相場再現も
市場には、リスクオフのセンチメントが横溢している。アルゼンチンやトルコなどの新興国通貨の下落に端を発した新興国経済の先行きへの懸念が、ネガティブ・サプライズとなったからで、日経平均株価は年初来、1300円幅も急落してしまった。
しかし、市場から完全に買い気が消失したわけではない。折からきょう31日にピークを迎える3月期決算会社の4~12月期(3Q)業績の発表では、業績上方修正銘柄に素直に株高で反応し、分子生物学の奇跡と伝えられた妙齢の女性研究者が開発した「万能細胞」には、ポジティジブ・サプライズとして関連株買いが強まった。まさに「困ったときのバイオ頼み」だが、この業績評価とバイオ関連材料で、再脚光を浴びる可能性のある銘柄がある。大幸薬品 <4574> である。
同社を取り巻く株価環境が、昨春相場で「アベトレード」もフォローして、2038円高値まで倍化した状況とうり二つとなっているためだ。昨春相場の株価倍化は、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生や季節性インフルエンザの流行開始などで前期業績を2回も上方修正してことが引き金となった。現在ただいまの同社株も、今3月期業績が上方修正含みにある上に、感染症拡大の状況も続いており、下値へのアプローチから逆行高展開も有力視される。
■2月12日の3Q決算発表時に3月通期業績の上方修正も期待
同社株の昨春の急騰相場は、2度にわたる前期業績の上方修正と、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生、季節性インフルエンザの流行開始が同時に起こったことが背景となった。この感染症の拡大で衛生対策意識が高まり、同社の感染管理事業の除菌剤「クレベリン」の需要が拡大、2回もの業績上方修正につながった。今回も、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生が相次いでおり、季節性インフルエンザの患者急増、さらに中国では、鳥インフルエンザによる死者発生など伝えられており、きょうからの春節入りでさらに事態の悪化も懸念されるところで、「クレベリン」需要のいっそうの拡大も想定され、業績期待が高まる。
同社の今3月期業績は、昨年10月に第2四半期(2Q)累計業績を上方修正し、大幅続伸した。3月通期業績は、期初予想を据え置き経常利益を11億5000万円(前期比5%減)、純利益を9億円(同13%減)と減益転換と予想しているが、上方修正して着地した2Q累計経常利益は、14億4900万円(前年同期比2.6倍)、純利益は11億1600万円(同2.6倍)と大幅続伸し、すでに期初予想の3月通期業績を大幅に上回った。同社は、2月12日に今期第3四半期決算の発表を予定しているが、これに向け前期と同様の業績上方修正も想定されることになる。
■IPO直後に鳥インフルエンザ関連で6990円の高値実績
株価は、昨年11月の今期2Q累計業績の上方修正以来、昨年来高値2717円まで1000円高し3分の1押し水準固めを続けているが、2009年3月の新規株式公開(IPO)直後は、鳥インフルエンザ関連人気と株式分割(1対3)の権利取りで6990円の上場来高値をつけた高値実績もあり、昨年来高値奪回から一段の上値追いも有力となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
市場には、リスクオフのセンチメントが横溢している。アルゼンチンやトルコなどの新興国通貨の下落に端を発した新興国経済の先行きへの懸念が、ネガティブ・サプライズとなったからで、日経平均株価は年初来、1300円幅も急落してしまった。
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2014-01-31 10:15