こんなにお寒い? 観光ニッポンのおもてなしの現実

副題:観光ニッポンの「あなた任せと運任せ」を憂う  全国2千万の中国ビジネスヘッドライン愛読者の皆様ご機嫌いかがでしょう。  いつも読者からいただいた質問に、一問一答形式のドラゴンならチャンのコラムですが今回ばかりは「勝手なおしゃべり」にて失礼いたします。事態はそれほど逼迫している、と認識いただければ幸甚であります。  爆買いとか買い出しツアーとか「面白おかしく」取り上げられてきた外国人(とくに中国)観光客が今年早くも400万人に達しているとか(3月末時点、政府観光局統計)。  このまま推移すれば年内に1000万人越えは確実な気配です。今年1月に私が設立した団体(社団法人日本観光立国推進協会 中国語講座チンプンカンプンの運営団体)としては協会の目標でもある年間5000万のインバンダー受け入れに一歩づつ近づいている、と歓迎すべき事態のはずだが「ちょっと待って!」と言わざるを得ない。  むしろこのまま1000万人(おそらく年内)に到達するやいなや、我が国は世界中の観光客から呆れられ「2度と来るか!」と笑われる事態に直面してしまうだろう。  以下個別に事態をみていこう。 ■課題その1 宿泊施設の不足  すでに国内ビジネスマンから悲鳴が上がっている。出張しようにもホテルが確保できないのだ。  ドラゴンならの地元大阪では、すでに奈良や和歌山までホテルを求めてビジネスマンが「難民化」している。観光客にはラブホやあいりん地区の木賃宿まで提携策を「探している状態(ある旅行業者)」なのだとか。  ホテルがないなら、ほかに「泊まるところ」はないのか?  2007年北京五輪のとき、唯一北京以外で会場(ヨット)となった山東省青島(チンタオ)市。  当時行政当局は押し寄せるであろう観光客のために民間のマンションに協力を呼びかけたいきさつがある。つまり各家庭にマンションの1室を開放してくれるよう呼びかけたのだ。条件は毎日ホストファミリーがベッドメイクするであった(と記憶している)。  翻って大阪市内にどれだけ空き家や空き室(賃貸物件)があるのだろう?  民宿システムを急いで立ち上げて各大家に臨時収入を提供するすべを提案すれば反対ばっかりでもないだろうに。固定資産税をとりたてるだけでなくたまには行政側から「おいしいハナシ」も持ってきてよ。 ■課題その2 公共交通機関のお粗末対応  なにも駅員さんが外国語ができない、などと「重箱のすみ」をつつくつもりはない。  以下実例を挙げていこう。  吾輩は東京に出張したら浅草に定宿がある。朝6時半とかホテルを出て都営地下鉄銀座線で都心に向かった、とする。始発駅浅草にはすでに成田から来たのであろう、観光客が大きなスーツケースを抱えたツーリストたちが待機している。そして思い思いに列車に陣取って都心に向かうのだ。そして列車はやがて通勤通学客でごった返しになる。  もともと銀座線なんて観光客用にデザインされてないもんね。銀座や日本橋で通勤客と観光客が「あわや一触即発」といった場面も何度となく目撃したことがある。結論からいえばなんで女性車両みたいに「ビッグラゲッジ車両(大荷物専用車両)」くらい時間制で導入しないんだろう? 「場外乱闘でも起きないと」当局の腰はあがらないのだろうか? ■結論  2020年東京五輪にはどのくらいの観光客が我が国に押し寄せるのか?  我が国にはグランドデザインがまったくできていない、と言われても仕方ない状態である。観光ニッポンの確率は国家総動員態勢で臨むべきビッグプロジェクトなのである。2020年までに5000万人の入国を想定して語学以外の施策、ビジネスチャンスのご対案をしていきたいと考えている。(このコラム続く)(執筆者:楢崎 宣夫 提供:中国ビジネスヘッドライン)
いつも読者からいただいた質問に、一問一答形式のドラゴンならチャンのコラムですが今回ばかりは「勝手なおしゃべり」にて失礼いたします。事態はそれほど逼迫している、と認識いただければ幸甚であります。
china,column
2015-04-14 10:30