中国で成功する日本人:中国人の「個」の付き合いできる人

 日本企業の撤退のニュース。最近では乳業メーカー、野菜飲料メーカー等、本当に残念です。上海市+江蘇省+浙江省の人口で既に1.5億人。東南アジアを決して軽視するわけではありませんが、どこの国・地域に重点置くかは明らかです。  中国経済は製造業から、サービス業へと重点を移し、“中所得国の罠”を脱出できるよう、ハイテク産業や付加価値の高い産業へと中国政府の政策も移行し、創業者支援もしています。  そうした中で、今日取り上るのは、中国で成功できる人は、会社と同等に「個」とお付き合いできる人です。 ■突然のアポイントを入れる中国人の真意  たまたま前回私の出張中に、電話がかかってきて「来週日本に行くので、面談をしたいので、面談のアポをお願いしたい」ということや、「日本のホテルの予約をしたいので、お願いします」等、結構仕事とは関係のないことで、依頼を受けることがあります。どちらとも、仕事関係で知り合った中国にいる中国人です。2人とも社会的地位がある役人などです。  このように、中国人は一般的なパターンとして、突然のアポやプレゼントをして、その人との距離や関係を探っています。名刺交換を1回したり、酒の席で仲良しになったからと言って、すぐに仲良しにはなれません。むしろ、日頃からのコミュニケーションが重要なのです。  日頃のコミュニケーションをしていると、非常に有用な情報を頂けたりするものです。それは、必ずしも私自身が欲しいタイミングで情報を頂けるわけではありませんが、私の場合、タイミングがずれてもその情報と言うのは、非常に有用な情報ばかりで、いつも感謝しています。先日も中国に出張時にいろんな方と面談させて頂きました。  そして有用な情報を継続的に収集できるというのは、中国のように情報の信頼性の吟味が必要な社会では非常に重要なことなのです。それらの情報は、事業計画作成時の環境分析に役立てることができます。そこで、日頃から情報を収集できるには、どのようなことが求められるかをまとめてみました。 ■有用な情報収集のために日頃から心がけたい3つのこと 1. 仕事だけではなく、プライベートのことでも関心を持つ  これは、会社員にとっては非常にハードルが高いかも知れませんが、「会社」の看板よりも「個人」の看板や個人の社会的地位を重視する中国人にとっては重要なことなのです。人間関係で公私の区別をしない中国人にとって特に言えることなのです。 2. 絶えず、相手に情報を与え、存在感を示す  やっぱり、たくさんの人と名刺交換するだけではだめです。相手にとって、存在感のある人である必要があるのです。同じように名刺交換している人がたくさんおり、お酒も飲んだりしている人がたくさん存在している中で、常に存在感をアピールして、いつか情報を頂ければ嬉しいというような姿勢が必要です。(To give is to be given) 3. お互いに価値創造する  成熟した社会である日本とは違い、中国は絶えず変化しています。確立した価値がまだ存在していない状況の中で、お互いに価値創造し、メリットを享受することが必要です。これは決してお金で買える関係だけでは言い尽くせない部分です。 ■ビジネス成功のカギは中国人との「個」のコミュニケーションにあり  中国に行っても、日本人とばかりコミュニケーションしている人は、赴任の年数に関係なく、現地の社員や社外との人脈が構築できません。その結果、中国人から嫌われてしまったとのパターンを多く聞きます。  乳業メーカーや、果汁メーカーの撤退は、現地社員との円滑なコミュニケーションが出来ているかどうか分かりませんが、少なくとも、情報収集に失敗し、事業計画を作成できず撤退したものと容易に想像できます。調査会社の数字だけを信頼していると、その数字が立体的にみえてきません。結果として情報の価値が分からないままになります。  中国での成功は、もっと1人1人の社員が、会社同様に中国人の「個」の付き合いができるかどうかにかかっていると言えるでしょう。(執筆者:廣田(李) 廣達 提供:中国ビジネスヘッドライン)
日本企業の撤退のニュース。最近では乳業メーカー、野菜飲料メーカー等、本当に残念です。上海市+江蘇省+浙江省の人口で既に1.5億人。東南アジアを決して軽視するわけではありませんが、どこの国・地域に重点置くかは明らかです。
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2015-04-14 10:30