【為替本日の注目点】ドル円は低調ユーロ反発、混迷続き円買い誘う

 NY市場  浜田発言が尾を引き、ドル円は119円台後半からじり安。小売売上高が市場予想を下回る伸びだったことでドル円は一段安となり、119円07銭まで下落。ユーロドルは急反発。直近の最安値に接近し警戒感があったことや、ギリシャへの緊急流動性支援を増額するとの噂もあり、1.05台半ばから1.07台へ反発。  株式市場はまちまち。原油価格が上昇したことで、エネルギー株が相場を牽引。ダウは59ドル上昇したものの、ナスダックは小幅に続落。債券相場は小売売上高を受け続伸。長期金利は1.9%を割り込む場面も。金は反落。原油価格は上昇し53ドル台に。  3月小売売上高   → +0.9%  3月生産者物価指数 → +0.2%  ドル/円 119.07 ~ 119.97  ユーロ/ドル 1.0558~ 1.0708  ユーロ/円 126.59 ~ 127.63  NYダウ +59.66 → 18,096.70ドル  GOLD -6.70 → 1,192.60ドル  WTI +1.38 → 53.29ドル  米10年国債 -0.028 → 1.900%  本日の注目イベント  中   中国 1-3月GDP   中   中国 3月小売売上高   中   中国 3月鉱工業生産   中   中国 3月工業生産   欧   ECB金融政策発表   欧   ドラギ・ECB総裁記者会見   欧   ユーロ圏2月貿易収支   米   ベージュブック(地区連銀経済報告)   米   4月NY連銀製造業景気指数   米   3月鉱工業生産   米   4月NAHB住宅市場指数   米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演   米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演   米   企業決算 → バンク・オブ・アメリカ、サンディスク   浜田内閣官房参与の発言にこれほど影響を受けるとはやや意外でした。もっとも、昨日の下落は3月の小売売上高が市場予想を下回ったことが直接の原因でしたが、ドル円は119円07銭まで売られ、119円割れは回避できたものの、米長期金利の低下傾向も見られることから、先週まで続いたドル高基調にやや変化も出ています。基本的には118-121円のレンジ相場が継続していると見られます。  気になるのは、米国の景気回復基調が鈍化していることです。3月の小売売上高は、2月が予想外の低調だったこともあり、今回は「+1.1%」程度と予想されていましたが「+0.9%」と発表されたことで、経済成長を押さえつけているのは厳しい冬の天候だけではないとの見方が広がり、FRBは利上げを急がないのではということにつながっています。  米国債が買われ、長期金利が1.9%まで低下してきたことは、欧州各国の長期金利が低下している中、相対的に有利だというだけで買われているわけではないとの観測も広がっています。IMFが昨日発表した世界経済見通しでも、原油安や金融緩和を受けて日本と欧州の成長率は上方修正されましたが、米国では賃金の上昇が予想されるよりも上がらないとの見方から、成長率の鈍化が見込まれています。  ドル円は、日経平均株価がザラ場で2万の大台を記録して以来、低調な動きになっています。さらに欧州ではギリシャに対する支援問題がまとまらず、デフォルトのリスクも話題になるなど、混迷が続いており、円が買い戻されやすい状況とも言えます。  チャートを見ても、3月初旬の121円から122円の攻防を例外とすれば、上値はほぼ121円以下に押さえ込まれています。現在日足では、まだローソク足が「雲」の上で推移していることから、ドル高傾向が維持されていると見ることができますが、この「雲」の下限は118円93銭近辺であることから、118円90銭を完全に割り込むようだと、注意が必要かもしれません。  本日は中国の経済指標が多く発表されることから東京時間でも動きがありそうです。また、株価の行方には依然として注意が必要です。さらに、欧州時間ではECBの政策金利が発表され、ドラギ総裁の記者会見があります。ドル円のレンジは119円~120円程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
浜田発言が尾を引き、ドル円は119円台後半からじり安。小売売上高が市場予想を下回る伸びだったことでドル円は一段安となり、119円07銭まで下落。ユーロドルは急反発。直近の最安値に接近し警戒感があったことや、ギリシャへの緊急流動性支援を増額するとの噂もあり、1.05台半ばから1.07台へ反発。
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2015-04-15 09:45