【為替本日の注目点】株安でドル下落、NYの最安値下回る可能性も

 NY市場  ドル円は経済指標の結果がまちまちだったことで、119円を挟んでもみ合い。やや上値の重い流れが続き、株価の大幅下落に118円63銭まで売られる場面もあった。ユーロドルでもユーロを買い戻す展開が強まり、一時1.0845までユーロ高が進む。  株式市場は大幅下落。中国での規制を嫌気して終始売りが強まる展開から、ダウは279ドル下落し、その他主要指標も大幅に売られる。債券価格は続伸。株価の大幅安にも反応し、長期金利は1.86%台まで低下。金は反発し、原油は下落。  3月消費者物価指数             → +0.3%  4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 94.0  3月景気先行指標総合指数          → +0.2%  ドル/円 118.68 ~ 119.26  ユーロ/ドル 1.0734~ 1.0845  ユーロ/円 127.99 ~ 128.66  NYダウ -279.47 → 17,826.30ドル  GOLD +5.10 → 1,203.10ドル  WTI -0.97 → 55.74ドル  米10年国債 -0.033 → 1.860%  独   独3月生産者物価指数   米   企業決算 → モルガン・スタンレー、IBM   ドル円は先週末のNY市場で、118円63銭まで下落しましたが、今朝のオセアニアでは119円前後で取引が開始されており、NYで株価が大幅に下落した割には、ドルがそれ程売られていない印象です。ドル円と株式市場との相関関係が弱まっているとはいえ、やや違和感があります。これは、「利上げ」がキーワードになっていると思われ、金利上昇は株価の下落圧力になっている一方、利上げはドル上昇要因と考えられるからでしょう。  NY株式市場が300ドルに迫る下落を見せたのは、日欧での株価の下落に加え、中国では、影の銀行を通じた株式購入資金の調達を規制する一方、空売りのための流通株式数を増やしたことが影響した様です。このところ中国では上海株を中心に株価の上昇が続き、当局が早すぎる上昇スピードに対して何らかの規制を行うのではないかとの懸念も働いていたようです。  先週末の経済指標では、消費者物価指数が予想以上に上昇していたことも、株価を押し下げ、反対に利上げにつながることから、ドルを下支えしたと考えられます。ドル円は依然として118-121円のレンジを形成していますが、先週はその下限を試す展開だったと考えられ、今週も引き続きドルの下値を探る展開が予想されます。  株価の下落以外にも、ギリシャ問題も依然として進展しておらず、デフォルトの可能性も否定できません。ブルームバーグによるとギリシャは反緊縮政策の姿勢を崩しておらず、欧米は妥協を求めギリシャに圧力をかけていると報じています。ギリシャの副首相は19日付けの同国紙とのインタビューで、「ユーロ圏内での実行可能な解決策をわれわれは望む」とし、「超えてはならない一線は変えない」と発言しています。  また、交渉が行き詰まれば、総選挙か国民投票の可能性があるとも述べています。結局ギリシャは、ユーロ圏当局との交渉を長引かせながら、有利な条件を引き出そうとしているに他なりません。24日にはユーロ圏財務相会合が開催され、ここで再度議論されるようですが、残された時間は多くありません。  今日も、NYでの株価の大幅安を受けて日経平均株価がどこまで下落するかが注目されますが、300円を超える下げを見せるようだと、NYでのドル最安値を下回ることも考えられます。下値のメドは118円20-50銭辺りと予想していますが、海外市場でもこの辺りがサポートされるかどうかも見極めたいところです。本日のレンジは118円30-119円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は経済指標の結果がまちまちだったことで、119円を挟んでもみ合い。やや上値の重い流れが続き、株価の大幅下落に118円63銭まで売られる場面もあった。ユーロドルでもユーロを買い戻す展開が強まり、一時1.0845までユーロ高が進む。
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2015-04-20 09:45