日本のバイト時給は世界で2番目に高い?=為替王

 渋谷でファーストフード店員が「時給1500円」を要求して デモを実施したことがニュースになりました。そもそも世界的にみて、日本の時給は安いのか?高いのか?世界各国の時給を、単純に為替レートで換算して比較してみても、あまり意味がありません。なぜならば、各国それぞれ物価が違うからです。経済学では物価を基準に比較する考え方があります。マクドナルドの人気商品「ビックマック」の値段をベースに比べてみました。  世界各国のマクドナルドの店員が、自分の国の平均時給をもらえることを条件に、1日8時間働いたら、その賃金で「ビックマック」を何個くらい買えるのか?下記のランキングをご覧ください。 ■もし世界の国々で1日8時間働いたら、その賃金でビックマックを何個買えるか?  1位 オーストラリア 24.08個  2位 日本 21.06個  3位 フランス 19.55個  4位 ドイツ 18.53個  5位 イギリス 17.99個  6位 アメリカ 13.36個  7位 スイス 13.05個  8位 台湾 10.43個  9位 ギリシャ 9.60個  ※上記の9箇所の国、地域における調査  日本はビックマック1個の値段が370円、アルバイト平均時給974円。1日8時間働いた場合、時給974円*8時間=7792円もらえますので、7792円/370円=約21.06個のビッグマックを買うことができます。フランスは平均時給9.53ユーロ。現在の為替レートで換算すると、日本円で約1220円に相当するので「時給が高くてうらやましいなあ」と思うかもしれませんが、物価も高くてビックマック1個3.90ユーロ(日本円で約500円)なので、1日8時間働いて得た賃金(時給9.53ユーロ*8時間=76.24ユーロ)では、ビックマックを約19.55個(計算式は76.24ユーロ/3.90ユーロ)しか買えず、物価を考慮すれば日本よりもやや条件が悪いことがわかります。スイスは平均時給10.6フランなので、単純に為替レートで換算しますと日本円で約1320円と時給がとても高く見えるのですが、物価も高くてスイスはビックマック1個6.5フラン(日本円で約810円)なので、8時間働いた賃金ではビックマックを13.05個(計算式は、時給10.6フラン*8時間/6.5フラン)しか買えません。  では次に、各国の平均時給を単純に為替レートで日本円に換算するのではなくて、物価(ビックマックの値段)も考慮して、各国の時給が日本円でいくらに相当するのか?逆算してみました。下記をご覧ください。 ■世界の平均時給、物価を考慮して日本円に換算したら?  オーストラリア 1113円  (日本 974円)  フランス 904円  ドイツ 857円  イギリス 832円  アメリカ 618円  スイス 603円  台湾 482円  ギリシャ 444円  あくまでも「ビックマックの値段」がその国の物価水準であることを前提にした9つの国や地域の調査です。正確に計測するならば、総合的な物価を勘案し、もっと多くの国々を調査すべきですが、本記事は、そこまで真剣な調査ということではなくて、ちょっとした雑学ネタとして、ビックマックの値段を基準にした場合、日本の時給は、世界的に見て安いのか高いのかを比較してみました。まとめますと、日本のアルバイトの平均的な時給は、物価を考慮すれば、 世界的に見て決して低くないどころか、むしろかなり恵まれているという結果が出ました。 ■参照した元データ  国名 ビックマック1個の値段 平均時給  スイス 6.50スイスフラン 10.60スイスフラン  フランス 3.90ユーロ 9.53ユーロ  ドイツ 3.67ユーロ 8.50ユーロ  イギリス 2.89ポンド 6.50ポンド  オーストラリア 5.30豪ドル 15.95豪ドル  アメリカ 4.79米ドル 8.00米ドル  日本 370円 974円  ギリシャ 3.05ユーロ 3.66ユーロ  台湾 79台湾ドル 103台湾ドル  (執筆者:為替王)
渋谷でファーストフード店員が「時給1500円」を要求して デモを実施したことがニュースになりました。そもそも世界的にみて、日本の時給は安いのか?高いのか?世界各国の時給を、単純に為替レートで換算して比較してみても、あまり意味がありません。なぜならば、各国それぞれ物価が違うからです。経済学では物価を基準に比較する考え方があります。マクドナルドの人気商品「ビックマック」の値段をベースに比べてみました。
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2015-04-22 10:00