景勝地「桂林」を三度訪ねて

日本経営管理教育協会が見る中国 第355回--宮本邦夫(日本経営管理教育協会名誉会長)
先般、三泊四日で中国の景勝地・桂林を旅行した。7年ぶり3度目の訪問である。6~7年の間隔をおいて訪問すると、その変化の様子がよく分かる。十数年前に初めて訪問したときは、公衆トイレを設置するなど、観光客の受け入れに着手したばかりという印象を持ったものだが、今回の訪問でその変化の大きさに驚かされた。以下に、その変化の一部を報告してみよう。
1.中心部のライトアップとナイトクルーズ
最初の訪問のとき、桂林の夜は暗いという印象が強かったが、二度目のときは、かなり明るくなったと記憶している。そして今回の訪問では、中心部のライトアップは、北京や上海に劣らぬほど明るいものであり、正直言って驚いた。中心を流れる川の河畔のライトアップされたところを1時間ほどかけてナイトクルーズを楽しんだ。途中、川の両岸の何箇所かに舞台が設けられていて少数民族の人たちが演ずる歌舞が見られたり、鵜飼のシーンを見ることができ、思わぬサービスを享受することができた。
2.韓国人観光客の多さ
今回の訪問で、以前と違うと感じたことの1つは韓国人観光客の多さである。ナイトクルーズの船は定員50人ぐらいの観光船であったが、80%は韓国人であった。また、市内の観光スポットでも多くの韓国人の団体に行き合った。あるところで売り子から「アンネョンハセヨ(今日は)」と話しかけられたので、「チョヌン イルボンサラミエヨ(私は日本人だ)」と言ったら、相手が怪訝な顔をしたのが印象的だった。聞くところによると、桂林と韓国間ではチャーター便が頻繁に飛んでおり、韓国人観光客が増えただけではなく、桂林近郊の中国人も訪韓しているという。
3.様変わりした「陽朔」の街
桂林観光の目玉は何と言っても「漓江下り」である。今回も、当然のことながら「漓江下り」をした。両岸の景色には変化は感じられなかったが、竹で作った水上観光タクシー“竹船”の頻繁な往来には驚いた。さらにびっくりしたのは、終着地「陽朔」の変貌である。船着場には、何百メートルにわたって朱塗りの長廊が設けられて店が並んでおり、観光客でごったがえしていて歩くのも大変だった。また、「陽朔」では「西街」という老街が有名であるが、その「西街」の建物が近代化して、老街どころか、西洋の街という意味の「西街」と化していたのが気になった。(執筆者:宮本邦夫・日本経営管理教育協会名誉会長 編集担当:水野陽子)
先般、三泊四日で中国の景勝地・桂林を旅行した。7年ぶり3度目の訪問である。6~7年の間隔をおいて訪問すると、その変化の様子がよく分かる。十数年前に初めて訪問したときは、公衆トイレを設置するなど、観光客の受け入れに着手したばかりという印象を持ったものだが、今回の訪問でその変化の大きさに驚かされた。
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2015-04-22 12:00