生化学工業は高値更新後に一旦反落したが早くも切り返しの動き、好業績を評価して上値追う流れに変化なし
関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業 <4548> の株価は高値更新後に過熱感を強めて一旦反落したが、足元では早くも切り返しの動きを強めている。好業績を評価して上値を追う流れに変化はないだろう。2月4日予定の第3四半期累計(4月~12月)業績発表を控えて期待感も高まる。
国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、米国向け単回投与関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。高齢者人口増加を背景に主力のアルツおよびジェル・ワンの需要は拡大基調である。
09年3月策定の「生化学工業10年ビジョン」に基づいて、研究開発は糖質科学分野に焦点を絞り、医療ニーズが高い新製品の上市を目指している。開発中の新薬としては腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603、アルツの適応症追加SI-657、変形性膝関節症改善剤SI-613、ドライアイ治療剤SI-614、関節リウマチ治療剤SI-615などがある。
なお1月14日には、12年8月に当社が勝訴した単回投与関節機能改善剤ジェル・ワンの特許侵害訴訟に関して、米ジェンザイム社が提起(13年10月)していた連邦巡回区控訴裁判所への控訴を取り下げたため、当社および米ジンマー社(米国でのジェル・ワンの独占販売代理店)の勝訴が確定したと発表している。また1月30日には、腰椎椎間板ヘルニアを適応症とするSI-6603(一般名コンドリアーゼ)について、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表している。今後は米国で実施中の第Ⅲ相臨床試験の進捗にも注力していくとしている。
今期(14年3月期)連結業績見通し(11月6日に増額修正)は売上高が前期比13.4%増の302億円、営業利益が同53.5%増の48億円、経常利益が同27.8%増の55億円、純利益が同36.6%増の44億50百万円としている。ジェル・ワン新製剤設備の償却開始が前倒しとなったが、米国向けジェル・ワンなど海外医薬品の出荷数量増加と円安メリット、販管費でのジェル・ワン訴訟費用の減少、営業外での保有外貨建て資産の評価に係る為替差益などで大幅増収増益見込みだ。第2四半期累計(4月~9月)の進捗率が高水準だったため通期再増額の期待が高まる。
株価の動きを見ると、12月25日直近安値1197円から急反発し、1月16日に1473円を付けて昨年4月高値1436円を突破した。さらに1月20日には1641円まで上値を伸ばした。その後一旦反落して1月27日に1445円まで調整したが、1月31日には1552円まで戻す場面があり早くも切り返しの動きを強めている。今期好業績を評価する動きだろう。
1月31日の終値1537円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円34銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1079円38銭で算出)は1.4倍近辺である。週足チャートで見ると、26週移動平均線を回復して1400円近辺のフシを一気に突破した。強基調に転換した形だろう。目先的にはやや過熱感を残しているが好業績を評価する流れに変化はなく、自律調整を挟みながら上値を追う展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業<4548>(東1)の株価は高値更新後に過熱感を強めて一旦反落したが、足元では早くも切り返しの動きを強めている。
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2014-02-03 09:45