石巻の女性支援プログラム、総理大臣夫人の安倍昭恵さんも駆けつけ地方創生にエール

　女性の自立をサポートする「Ｅｙｅｓ　Ｆｏｒ　Ｆｕｔｕｒｅ　ｂｙ　ランコム（未来へ向けたまなざし）」の２０１５年度プログラムの開講式が２０１５年４月２２日、宮城県石巻市の中央公民館で開催された。日本ロレアル、ＮＰＯ石巻復興支援ネットワーク、石巻市の３者が協働し、「女性が輝く、石巻が輝く」をテーマに２０１３年にスタートした女性支援のプログラム。２０１４年に起業家サポートコースを新設し、同コース受講生のほとんどが起業してビジネスを拡大するなどの成果がある。開講式には、内閣総理大臣夫人である安倍昭恵さんも駆けつけ、「街づくりには女性の力が欠かせません。同じ志をもった皆さんが協力しあって石巻を元気にしていってください」と、受講者にエールを送った。写真は「Ｅｙｅｓ　Ｆｏｒ　Ｆｕｔｕｒｅ　ｂｙ　ランコム（未来へ向けたまなざし）」の２０１５年度プログラムの開講式　宮城県石巻市の中央公民館にて。 　「Ｅｙｅｓ　Ｆｏｒ　Ｆｕｔｕｒｅ　ｂｙ　ランコム」は、パソコン、コミュニケーション、ビジネス講座などの実務を学べる講座だけではなく、地元の先輩起業家によるメンタリングや様々な分野で活躍中の女性を講師に迎えたセミナー、ワークショップなど、「地方（地元）」と「女性」の視点を活かしたユニークな講座を提供。復興の状況や変化に応じて講座内容を毎回刷新し、地域住民の要望に沿った企画となっていることが特徴。石巻から情報を発信して地方創生につなげることを目的に運営している。 　設立当初の２０１３年には、「震災後、まだ外に出られない」、「明るい気持ちになれない」などという声が多かったことを受け、メイク、コミュニケーション講座、また、仕事に就くためにパソコンスキルが必要という声に応えてパソコン講座を提供。「人材育成コース」として受講者２５名でスタートした。 　２０１４年には、「起業をしたい」、「起業をしたいけれども何から始めてよいかわからない」という声が増えてきたことから「起業家サポートコース」を新設し、「美容」「飲食」「ネット」の３コースで展開し、起業家サポートコース１１名の受講者のほとんどが起業に至った。「人材育成コース」も２３名の受講者があった。 　そして、２０１５年は起業／就労をめざす女性が多く、そのためのスキル取得のニーズが高いことから、全２０回の講座で組んだ「起業家育成コース」を開設し、２２名の受講者を集めた。全２０回の講座には、過去２年間で好評だった「メイク」、「コミュニケーション」、「パソコン」の講座に加え、「ウェブ制作」や「映像」なども用意して情報発信力も養成する。 　開講式では、プログラムを主催する石巻復興支援ネットワーク代表の兼子佳恵さんが「映像制作の講座で学んでいただき、石巻でがんばっている姿を全国に伝えていきましょう」とあいさつ。石巻市副市長の笹野健さんは「復興には女性の力が必要です。皆さんのような若い力で石巻を一緒に盛り上げていきましょう」と石巻市再生に向けて受講生への期待を語った。また、日本ロレアル社長のクラウス・ファスベンダーさんは「石巻の女性に誇りと自信をもって活躍していただきたい」と語った。 　開講式後、プログラム３年目を記念して安倍昭恵さんもパネラーとして参加する公開トークセッションを開催。「女性の力で石巻を変えていこう！　～なりたい自分にきっとなれる～」をテーマに１００人以上が聴講に集まった。パネラーには、元フジテレビアナウンサーで明治大学教授の牛尾奈緒美さん、コンデショニングトレーナーの有吉与志恵さんも登壇した。 　トークセッションでは、石巻の女性が一歩を踏み出し、前に進む力になるように、「自分のライフワークをどのように見つけたか」、「困難をどのように乗り越えたのか」、「転機となった出来事」などをテーマに、具体的な体験を交えて語り合った。安倍昭恵さんは、トークの中で「思っていることを言葉にして、セルフイメージを大きく持ち、なりたい自分を思い描いてみてください」と力強く呼びかけ、会場の共感に迎えられた。 　日本ロレアルは、東日本大震災後、全社をあげて長期的に復興支援に取り組むことを目的に「東北復興支援プログラム」を推進。「ランコム」、「ロレアル　パリ」、「メイベリン　ニューヨーク」など２０ブランドの売上の一部をＮＧＯの協力のもとで様々な復興支援活動に役立ててもらっている他、コミュニティカフェ「ＨＡＮＡ荘」、被災地を巡回する「ビューティバス」（移動式美容室）によるヘアカットなどを実施している。（編集担当：風間浩）