【為替本日の注目点】ドル対主要通貨で下落、米GDP下振れ懸念も
NY市場
ドル円は119円台が重かったものの、欧州時間には格付け会社フィッチが日本国債の格下げを発表したことで円売りが強まり、119円44銭までドル高が進む。NYでは30日発表のGDPが下振れるとの観測が強まり、118円台後半まで円が買われ、119円05-10銭で引ける。ユーロドルも米GDPが弱めに出るとの観測のもと、ユーロを買い戻す動きが優勢に。一時は1.0927までユーロが買われ。約3週間ぶりの水準をつける。
米国株は反落。バイオ株を中心にFOMCを前に、利益確定の売りに押される。ダウは42ドル下落し、ナスダックも小幅に反落。債券相場も続落。2年債入札が低調だったことが背景。長期金利は1.92%台へ小幅に上昇。金はドルが売られたことで大幅に上昇。原油は小幅に続落。
ドル/円 118.90 ~ 119.44
ユーロ/ドル 1.0820~ 1.0927
ユーロ/円 129.21 ~ 129.97
NYダウ -42.17 → 18,037.97
GOLD +28.20 → 1,203.20ドル
WTI -0.16 → 56.99ドル
米10年国債 +0.012 → 1.922%
本日の注目イベント
英 英1-3月期GDP(速報値)
米 2月ケースシラー住宅価格指数
米 4月消費者信頼感指数
米 4月リッチモンド連銀製造業指数
米 日米首脳会談(ワシントン)
格付け会社フィッチが、日本国債の格付けを「A」に一段階引き下げを発表したことから、ドル円は欧州時間に119円台半ばまで円安が進む場面もありましたが、影響は限定的だったようです。格下げの理由は、日本政府が消費税増税先送りの影響を相殺する措置を講じていないことを挙げています。10%の消費税は2017年4月に先送りされていますが、今度は延期できそうもありません。
ドル円は、欧州時間では上記影響もあり堅調に推移していましたが、NYでは30日に発表される1-3月期GDP速報値の予想が、1年ぶりにの低水準になると見込まれていることがドルの上値を抑え、ドル円は再び118円台後半まで押し戻されています。さすがに、1%程度と見込まれている速報値が1%を割り込むようだと、寒波や、湾岸ストの影響だというだけでは説明できず、景気実態そのものが悪化しているのではないかといった見方も浮上します。
またGDPが下振れするようだと、当日のFOMC内での議論にも影響を与え、利上げが後ずれすることも考えられます。個人的には現時点では、それでも9月に利上げが有力と予想していますが、今後の経済指標がFOMCの決定に影響を与えるだけに、来週の雇用統計同様に注目度は高いと見られます。
ユーロドルが3週間ぶりに1.09台前半まで上昇し、ポンドドルも約1ヶ月半ぶりに1.52台半ばまで買われるなど、市場ではドル安傾向が進んでいます。このような場合には、ドル円でもドルが売られ、円が買われますが、ドル円では下値でドル買い需要が強く、それ程下落しません。そのため、クロス円は上昇する傾向があります。対ドルで見たユーロも、ポンドもこのまま上昇に転じるのか、あるいは上昇を抑えられるのか微妙な値位置にいます。その意味でも、30日のGDPと来週の雇用統計が、今後の方向性を大きく決定づける可能性があると予想できます。
依然として不透明なギリシャ問題ですが、ギリシャは債権者との合意を目指す取り組み調整役を更迭しました。現在バルファキス財務相がその任にあたっていますが、同氏の交渉姿勢に批判が集まり、このままでは債権者から合意を得られないと判断したのか、今後は外相のツァカロトス氏が兼任するようです。今回の措置がツイプラス政権が本気で合意を目指していると受け止めるのか、あるいはこれまでと同様に単なる時間稼ぎなのか、今後の進展を見守る必要があります。
本日も東京時間では動きにくい展開が予想されます。株価が昨日に比べ上昇しそうな気配ですが、その際にドル円がどこまで買われるのか、ということですが、相関関係が崩れている状況のため、あまり期待はできません。予想レンジは118円60銭~119円60銭程度を見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は119円台が重かったものの、欧州時間には格付け会社フィッチが日本国債の格下げを発表したことで円売りが強まり、119円44銭までドル高が進む。NYでは30日発表のGDPが下振れるとの観測が強まり、118円台後半まで円が買われ、119円05-10銭で引ける。ユーロドルも米GDPが弱めに出るとの観測のもと、ユーロを買い戻す動きが優勢に。一時は1.0927までユーロが買われ。約3週間ぶりの水準をつける。
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2015-04-28 09:45