【為替本日の注目点】FOMCでドル反発も弱含み、ユーロ買い戻し

 NY市場  ドル円は米第一四半期GDPが予想を下回る結果に、118円60銭まで下落。その後のFOMC声明文では、景気は緩やかに拡大しているとの内容に、年内の利上げの可能性が残っているとの見方からドルが買い戻され、119円台まで反発して引ける。ユーロドルは大幅に上昇。1.09台後半から1.1188までユーロが買われ3月初め以来のユーロ高を示現。  株式市場は反落。GDP速報値が予想を大きく下回ったことを嫌気してダウは74ドル安と、前日の上昇分を吐き出す。債券相場は続落。FOMC声明分での景気の減速は一過性のものであるとの指摘に債券は売られ、長期金利は6週間ぶりの高水準に。金は反落し、原油は続伸。  米   1-3月期GDP(速報値 )  → +0.2%  米   3月中古住宅販売成約指数  →  +1.1%  ドル/円 118.60 ~ 119.34  ユーロ/ドル 1.0993~ 1.1188  ユーロ/円 131.03 ~ 132.89  NYダウ -74.61 → 18,035.53ドル  GOLD -3.90 → 1,210.00ドル  WTI +1.52  → 58.58ドル  米10年国債 +0.045 → 2.045%  本日の注目イベント  日   3月鉱工業生産   日   日銀金融政策決定会合   日   日銀、展望リポート公表   日   黒田日銀総裁記者会見   独   独3月小売売上高   独   独4月雇用統計   欧   ユーロ圏3月失業率   欧   ユーロ圏4月消費者物価指数(速報値)   米   3月個人所得   米   3月個人支出   米   3月PCEコアデフレーター   米   新規失業保険申請件数   米   4月シカゴ購買部協会景気指数   米   タルーロ・FRB理事講演   注目の米1-3月期GDP速報値は予想外の減速を示すものでした。前期の「+2.2%」を大きく下回っただけでなく、事前予想の「+1.0%」をも大きく下回る「+0.2%」という結果でした。寒波と、港湾ストライキの影響に加え、ドル高の影響から企業の設備投資が減ったこと。さらに、個人消費も冴えない内容でした。この発表を受けて、ドル円は118円60銭まで売られ、ユーロドルも1.1188まで「ドル安」が進行しました。  ただ、ドルはその後に発表されたFOMC声明文に助けられた形で反発してます。声明文では「委員会は引き続き、適切な政策緩和により経済活動が緩やかなペースで拡大すると見込んでいる」と指摘し、足元の景気減速は「一過性の要因」を一部反映していると分析しています。(ブルームバーグ)  この声明文を受けて、第一四半期のGDPは大幅な減速を示したものの、緩やかな拡大ペースを維持すると見られることで、「年内の利上げの可能性は排除できない」との見方が広がり、ドルが買い戻されました。3月の雇用統計発表以来、米経済指標は概ね軟調な内容が続いています。それでもFOMCでは、一過性と見ていることが確認されたことになりますが、やや違和感を感じます。利上げ観測が依然として根強いことから債券も売られ、長期金利は2月中旬以来となる2.04%台まで上昇したことも、ドル下落を支えています。  結局ドル円は、これまでのレンジを抜け切れない展開が続いている一方、ユーロドルでは1.12に迫る水準までユーロが買い戻され、豪ドル、ポンドなどで円は大幅に下落し、「ドル安、円安」の動きが加速しています。もっとも、ユーロドルはショートポジションの積み上がりが高水準であることから、ショートの買戻しがメインだったとの見方は変わっていません。  ドル円は方向感のない動きが続いていますが、本日は日銀金融政策決定会合が開催され、年に2回の展望レポートが発表されます。一部には展望レポート発表とあわせて、「追加緩和」があるのではないかとの観測がありますが、このタイミングでの「追加緩和」の可能性は極めて低いと思われます。(下記「What's going on」を参照)特に海外では、昨年4月末のサプライズがあったことを踏まえ、緩和観測が強いようです。  もちろん、全くないとは言い切れませんが、もしあったらそれは「スーパー・サプライズ」ということになります。「追加緩和はない」という前提に立てば、期待があっただけに、発表後ドルが多少売られる展開も予想されそうです。本日のレンジは118円50銭~119円50銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は米第一四半期GDPが予想を下回る結果に、118円60銭まで下落。その後のFOMC声明文では、景気は緩やかに拡大しているとの内容に、年内の利上げの可能性が残っているとの見方からドルが買い戻され、119円台まで反発して引ける。ユーロドルは大幅に上昇。1.09台後半から1.1188までユーロが買われ3月初め以来のユーロ高を示現。
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2015-04-30 09:45