【為替本日の注目点】中国PMIが波乱要因なるか、ユーロドル続伸
NY市場
ドル円は失業保険申請件数が15年ぶりに低水準だったことで、ドルが買われ、119円90銭まで上昇。その後は株価の下落に伴ってドル売りも強まり、119円35-40銭で引ける。ユーロドルは続伸。欧州時間に1.12台半ばまで上昇した後、一旦売りに押されたものの、NYでは1.1267までユーロが買われた。
株式市場は続落。ハイテク株や小型株が売られ、主要3指数とも大幅安。ダウは195ドル下落し、1万8000ドルの大台を割り込む。債券相場は小幅に上昇したものの、前日とほぼ同水準で引ける。金は大幅に続落。原油は続伸し、一時は60ドル近辺まで上昇。
3月個人所得 → 0.0%
3月個人支出 → +0.4%
3月PCEコアデフレーター → +1.3%
新規失業保険申請件数 → 26.2万件
4月シカゴ購買部協会景気指数 → 52.3
ドル/円 118.82 ~ 119.90
ユーロ/ドル 1.1116 ~ 1.1267
ユーロ/円 132.86 ~ 134.51
NYダウ -195.01 → 17,840.52ドル
GOLD -27.60 → 1,182.40ドル
WTI +1.05 → 59.63ドル
米10年国債 -0.010 → 2.035%
本日の注目イベント
豪 豪第1四半期生産者物価指数
日 3月消費者物価指数
日 3月失業率
中 中国 4月製造業PMI(速報値)
中 中国 4月非製造業PMI(速報値)
英 英4月製造業PMI
米 4月ISM製造業景況指数
米 4月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
米 ロレッタ・クリーブランド連銀総裁講演
米 ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
昨日の為替市場は比較的値幅も大きく、よく動きました。ユーロドルは、ユーロ圏の消費者物価指数が「ゼロ」まで戻り、デフレからの脱却が可能との見方からユーロが続伸し、NY市場では1.1267までユーロ高が進行しています。1.04台で、一旦底値を確認した後も上値が重く、1.05台まで下げましたが、そこでダブルボトムを形成し、1.12台半ばまで反発しています。今朝も1.12台前半で取引が開始されたことから、「日足」では昨年5月以来、実に約1年ぶりに「雲を上抜け」しています。
ギリシャへの支援問題がまだ不透明ではあるものの、テクニカル的には上昇余地が見られ、上値の目安は120日線がある、1.15手前と見ることもできます。長い間続いた低金利に加え、今年3月からのECBによる量的緩和。さらに急激なユーロ安が加わり、ユーロ圏もデフレからの脱却が見えてきたようです。中でもドイツは製造業を中心に、ユーロ安の恩恵を最大限享受しているようです。
ドル円も昨日は118円50銭をつけた後、1円以上も反発していますが、依然としてレンジ内に収まっています。118円台半ばから下値では、ドル買い注文も多いと見られ、ユーロドルでドル安が進んでいる割にはドル円は下がりません。特に昨日は、日経平均株価が今年最大の下げを見せ、前日比538円も下落したものの、円買いが見られたのは短時間で、ドル円と株価の相関がさらに低下した印象があります。
NYでは新規失業保険申請件数が26万2000件と、先週比3万4000件も減少し、15年ぶりの低水準となっています。この結果俄然、来週末の雇用統計にも期待が膨らみ、4月の「雇用統計ショック」から、早くも立ち直る気配も出て来ました。雇用統計の先行指標とも言えるこの失業保険申請件数が順調に減少している以上、FRBがメドとする20万人の雇用者増は確保されると思われます。また前日のFOMCでの、経済指標の下振れは一過性のものであるとの声明文と整合性が取れていると見ることも出来ます。
日銀の決定会合では市場予想通り追加緩和は見送られました。展望レポートで消費者物価指数の見通しを「+1.0%」から、「+0.8%」に下方修正し、2%の達成時期も、2015年度中心とする時期から、2016年前半というように延長しました。それでも「物価上昇基調」は確実に進行しており、人々のデフレからの意識も転換しているとして、日銀はこれまでの政策の維持を決めています。
本日は中国のPMI発表が波乱要因ですが、予想レンジは118円80銭~120円程度と見ています。今年に入ってからのドル円は、去年の後半のように、明確なトレンドが見えていません。それでも当社のセミナー参加者の人数を見ると、確実に増加しています。FX人気は、ゆっくりですが着実に高まっていると言えそうです。良い連休を・・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は失業保険申請件数が15年ぶりに低水準だったことで、ドルが買われ、119円90銭まで上昇。その後は株価の下落に伴ってドル売りも強まり、119円35-40銭で引ける。ユーロドルは続伸。欧州時間に1.12台半ばまで上昇した後、一旦売りに押されたものの、NYでは1.1267までユーロが買われた。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2015-05-01 09:30