注目が集まる「オウンドメディア」、コンテンツマーケティングの新たなプラットフォームとしてトレンド総研が「Ameba Ownd」の可能性を調査

顧客・消費者にとって価値ある情報を継続的に提供することで企業とのコミュニケーションを深め、ファンの増加やブランディングにつなげる“コンテンツマーケティング”への注目が高まる中で、そのプラットフォームとして「オウンドメディア」(自社メディア)への関心が高まってきている。トレンド総研(東京都渋谷区)では、オウンドメディア導入・運用を含めた企業のデジタルマーケティングと消費者への影響を調査。また、2015年3月にリリースされた「Ameba Ownd」をピックアップして、今後の「オウンドメディアマーケティング」の活用についてレポートを発表した。
トレンド総研が、20~40代の男女500名を対象とした意識調査(2015年3月31日~4月2日)を行ったところ、「企業・ブランドが発信している情報を閲覧・フォローしたことがありますか?」という問いに、79%が「ある」と回答。20代では88%と約9割が閲覧・フォローしているという回答だった。
閲覧・フォローしている(したことがある)公式メディアとして多かったのは、「LINE公式アカウント(LINE@含む)」(49%)、「Facebookページ」(49%)、「公式サイト」(47%)、「Twitterアカウント」(39%)が上位にあがった。ただ、閲覧・フォローしている企業・ブランドのジャンルには男女差が大きくみられ、女性では「ファッション・アパレル」(62%)、「美容・化粧品」(49%)が多く、男性は「家電・電化製品(メーカー)」(41%)、「自動車」(40%)が多かった。
このような公式メディアからの情報が企業・ブランドへのイメージにどのような変化を与えているかを調査すると、「(以前から興味・関心があった企業・ブランドの)好感度が上がった」(73%)との回答が約7割にのぼり、また、「(興味・関心がなかった企業・ブランドだったが)好感度が上がった」人も63%と半数以上だった。
さらに、「閲覧・フォローしたことや情報がきっかけで、その企業・ブランドの商品を購入した・店舗に足を運んだ」と具体的なアクションをともなう行動に関しても52%が「経験がある」と回答。企業・ブランドのウェブ上での情報発信が、企業・ブランドに対する印象を左右するだけでなく、行動にも影響を与えていることが改めて分かる結果になった。
一方、企業の広報担当者100名(20~40代の男女)を対象とした調査(調査期間:2015年3月31日~4月2日)では、自社のデジタルマーケティングに取り入れている手法は、「Facebook アカウント運用」(61%)がトップ。「コーポレート・ブランドサイト運用」(41%)、「Twitter アカウント運用」(40%)、「公式ブログ運用」(35%)、「Youtube チャンネル運用」(26%)などが続いた。また、「オウンドメディアマーケティング」についても16%の企業が、自社・自社ブランドのプロモーションを含めたデジタルマーケティング手法として取り入れていることがわかった。
また、活用しているメディアについて「Facebook」、「Twitter」などのソーシャルメディアを通じては「自社の商品・イベント情報」(51%)、「自社ブランドに関連したニュース情報」(48%)などが多かった。オウンドメディアは、「自社のCSR活動の情報」(21%)、「調査・研究データ」(16%)、「自社・自社ブランドのノウハウやビジネスモデル」(19%)など、より多岐にわたる情報が網羅的に発信されている傾向が見て取れる結果になった。
さらに、「オウンドメディアマーケティングを取り入れている」と回答した人に限って調査を進めると、「オウンドメディアマーケティング」を導入した時期は62%が「1年以上~3年未満」という回答で、うち、約4割が「1年以上~2年未満」と導入を始めたばかりの企業がほとんどだった。導入の理由としては、顧客・消費者との接点拡大のための新たな手段として、継続性があり、企業のブランドイメージを的確に伝えられるという点をメリットに感じているという回答が多かった。
そして、導入から日が浅いこともあって、「十分な情報発信ができていない」(54%)、「十分な予算が確保できていない」(46%)、「運用のための管理ツールが使いづらい」(31%)、「コンテンツなどの政策スキルが十分でない」(23%)などの運用上の悩みを抱えている人が多く、メディア自体の制作・運用といった部分にストレスを感じている人が少なくないこともわかった。これは、「オウンドメディアマーケティング」を導入していない担当者にも同じことがいえ、「導入するための方法がわからない」、「導入したくてもリソースが割けない」などといった要素が、導入のネックになっていることがわかった。
そこで、トレンド総研が注目したのが2015年3月18日に正式リリースされた「Ameba Ownd(アメーバ オウンド)」。誰でも簡単にデザイン性の高いウェブサイトを無料で制作することができるサービス。100種類以上のテンプレートやフレームが選択でき、画像や動画などのコンテンツをアップロードするだけで、PCばかりでなくスマートフォンにも最適化されたサイトが構築できる。また、ブログやTwitter、Facebook、Instagram、Youtubeといった各種ソーシャルメディアとの連携も簡単に実施することが可能で、ウェブ上で別個に発信されていた情報を手軽に集約することもできる。コンテンツやデザインの変更は、スマートフォンのアプリからも実施可能で、誰でも簡単に操作できるというメリットがある。
トレンド総研では、実際に「Ameba Ownd」を導入したスターバックス コーヒー ジャパンのマーケティング・カテゴリー本部の長見明氏にインタビュー取材をして「Ameba Ownd」導入の背景などを聞いている。
スターバックス コーヒー ジャパンは、「Ameba Ownd」の導入にあたって、公式ブログをアメーバブログに変更。「数千万人の会員という巨大なネットワークから得られるリーチの広さを期待し、また、デザイン性に優れた『Ameba Ownd』であれば、スターバックスのブランドにフィットすると感じました」(長見氏)と、導入のきっかけについての話を聞いている。
また、「ブログ以外にも、Twitter、Facebookなどが集約できる新しい機能があり、これら新しい機能からどのような変化が生まれるか、『Ameba』ネットワークの底力に期待したい」(長見氏)との期待の言葉も。長見氏は、スマートフォンに最適化されていることを高く評価し、「『Ameba Ownd』は、生まれた時からスマートフォンに最適化されているので、スマートフォンがデジタルマーケティングの中心になりつうある現代において、とても大きな魅力」と語っている。
そして、長見氏は、今後の「オウンドメディア」運用については、「企業とお客さまとの距離感を大事に、心地よいけど親密過ぎない、プライバシーに踏み込み過ぎないくらいがちょうどいい」という関係を続けたいという。「いつでも変わらず『スターバックスらしく』振る舞える環境を整える努力をしています。発信するコンテンツのトーンとクオリティを維持・継続することで、スターバックスのアカウントには独自の“個性”が備わっていると感じています。すなわち、しっかりと差別化された存在になれると思うのです」と、展望している。
また、オウンドメディアの運用でも、ソーシャルメディアにあるPVやコメント数といったユーザーからのダイレクトな反応と同じように、ログの分析などを通じてユーザーの反応をきちんと認識し、「それを踏まえた情報を発信していくことが重要」と、新たな取り組みや手法にも積極的にチャレンジしていきたいと語っている。
トレンド総研は、「Ameba Ownd」について、優れたデザイン性に加え、SNS等の各種情報を集約する役割も簡単に実行できることを高く評価。「数々の企業が『オウンドメディア』を戦略として取り入れていく中で、新たな一大プラットフォームとしての可能性が期待できる」と見通している。(編集担当:風間浩)
顧客・消費者にとって価値ある情報を継続的に提供することで企業とのコミュニケーションを深め、ファンの増加やブランディングにつなげる“コンテンツマーケティング”への注目が高まる中で、「オウンドメディア」(自社メディア)への関心が高まってきている。
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2015-05-01 13:45