資生堂は今期業績増額修正も好感して切り返し、収益改善を評価する流れに変化なく昨年9月高値試す

  資生堂 <4911> の株価は高値圏から一旦反落したが、足元で切り返しの動きを強めている。1月31日発表の今期増額修正も好感した形だ。収益改善を評価する流れに変化はなく、昨年9月高値を試す展開だろう。   中期的に国内、中国、米ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針を打ち出し、事業構造改革も実施した。国内では中高価格帯商品への対応に取り組み、海外ではブランド刷新も検討するようだ。13年5月には、レプリセル社(カナダ)の「毛髪再生医療技術(RCH-01)」導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。また13年10月にはフランス子会社の株式および資産についてロレアル社(フランス)から譲渡提案を受け、独占交渉契約を締結して交渉を開始している。   1月31日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月~12月)の連結業績は前年同期比10.4%増収、同3.6倍営業増益、同3.5倍経常増益、同3.7倍最終増益だった。円安による差益増や事業構造改革の効果で営業損益が大幅に改善し、営業外では円安に伴う外貨建て資産の評価益も寄与した。地域別売上高は国内が同0.5%減収、海外が同24.5%増収(現地通貨ベースでは同0.8%増収)だった。   通期見通しは前回予想(10月31日に2回目修正、売上高、営業利益、経常利益を増額、純利益を減額)を1月31日に増額修正し、売上高が100億円増額して前期比10.7%増の7500億円、営業利益が20億円増額して同61.3%増の420億円、経常利益が30億円増額して同54.9%増の440億円、純利益が40億円増額して190億円(前期は146億85百万円の赤字)とした。   第4四半期(1月~3月)にマーケティングコストを積極投入するが、円安メリットや事業構造改革効果で吸収する。通期の想定為替レートは1米ドル=97円70銭、1ユーロ=129円70銭、1人民元=15円90銭として、地域別売上高を国内が同1.7%減の3670億円、海外が同25.8%増の3830億円の見込みとしている。上振れ余地を残しているようだ。   なお国内・化粧品販売会社の月次売上動向(前年比)を見ると、13年10月プラス5%、11月プラス9%、12月プラス2%と下期に入って好調を維持している。12月はセルフ化粧品とトイレタリーがやや低調だったが、カウンセリング化粧品では中価格帯の「マキアージュ」「エリクシール」が好調だった。   株価の動きを見ると、高値圏1700円台でのボックス展開からやや水準を切り下げ、足元では全般地合い悪化の影響も受けて1500円台まで調整したが、1月27日の直近安値1557円から急反発している。2月3日には全般軟調地合いの状況下でも前日比86円(5.25%)高の1723円まで急伸する場面があった。今期増額修正を好感した形だ。   2月3日の終値1701円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS47円69銭で算出)は36倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS722円42銭で算出)は2.4倍近辺である。日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復し、週足チャートで見ると52週移動平均線近辺から反発して13週移動平均線と26週移動平均線を一気に回復した。強基調に転換した可能性があり、昨年9月高値1796円を試す展開となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
資生堂<4911>(東1)の株価は高値圏から一旦反落したが、足元で切り返しの動きを強めている。1月31日発表の今期増額修正も好感した形だ。
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2014-02-04 09:15