絶対に中国人に贈ってはいけない物 <選び方に注意>続編(3)

贈ってはいけない品物シリーズのまとめです。「贈ってはいけない」を逆の面から言えば、「何を、どのように贈ればよいのか」ということになりますよね。基本原則は「豪華に」、「派手に」、「いいものを」、「大げさに」です。
お土産として、お菓子の詰め合わせを「つまらないものですが、皆さんで召し上がってください」と言って差し上げたのではダメです。日本人は「本当にひとつだけです。少なくて申し訳ないけど、このお菓子食べてください」と謙遜した言い方で自分の誠意を伝えようとしますが、これは通じません。「本当にひとつだけ? なんてケチな日本人……」と、あなたは思われているかも知れないのです。
キャラクター付きのボールペンやご当地キャラの携帯ストラップなども、わざわざ日本から買っていくお土産ではありません。「ケチな日本人」と思われたくなかったらむしろ渡さない方がよいのです。
本当にお土産を渡したい相手には、適切なタイミングで、より豪華なもの、よりよいモノをプレゼントしたほうが絶対に効果的です。儀礼的なお土産、形だけのお土産や気持ちだけの品物はやめておいたほうがよいでしょう。
■ 気持ちを伝えたいなら、コメントをしっかり伝えること
だからと言って「お菓子の詰め合わせセット」がだめなわけではありません。日本酒や日本人形、定番の文房具でも、キャラクターグッツでもいいのです。ポイントはお土産を渡すときのコメントが大切なのです。
「なぜこれを選んだのか」、「なぜこれをあなたにプレゼントするか」
このコメントをしっかり伝えるのです。例えば、
「陳さん、このお菓子をぜひ陳さんに食べて欲しくて、わざわざ選んで買ってきました。これはなかなか手に入らないプレミアムのお菓子で、私が食べたお菓子の中でも最高です。空港で一生懸命探して、やっと見つけて買ってきました」
というようなコメントです。
さらに、「これをどう使って欲しいか」、「これを使って何をして欲しいか」をしっかりと伝えるべきなのです。
多少押し付け的なコメントになることもありますが、徹底的にお土産の良さを主張するのです。例えば:
「ぜひこの置物をを社長室の本棚の横に置いてください。この置物は幸運を呼ぶという言い伝えがあります。私たちの友情の証(あかし)です」
「このお酒は金粉入りの大吟醸酒です。名前の由来は・・・・・です。ぜひ、特別なお客様をおもてなしする時に、一緒にお召し上がりください」
ポイントはお土産を渡した相手が、他の人に自慢しなくなるようなエピソードを伝えることです。他の人に自慢したくなるような薀蓄(うんちく)を添えてお土産を渡すことです。
こうしたコメントを添えることで、渡したお土産は何倍もの効果を発揮することになります。「つまらないものですが、ぜひ皆さんで召し上がってください」とか、「少ないけど、気持ちだけ受け取ってください」ではダメなのです。
■ 年末から年明けにかけての出張ならば、お土産として「カレンダー」がお勧め
私の場合年末から年明けにかけて、出張があるときには決まって「カレンダー」を買って行きます。旧正月ぐらいまではけっこう有効です。喜ばれるお土産です。3つのパターンがあります。
第一に、日本的な図柄のカレンダーです。「浮世絵」、「富士山」、「日本の四季」、「有名な観光地」のカレンダーなどです。かなりベタですが、意外と喜ばれます。桜、紅葉、東京スカイツリー、北海道なども人気です。
値段としては1000-1500円ぐらいの手頃なものでOKです。お土産用とお菓子と同じ程度の価格と考えればよいわけです。よいものだと2000円を超えるものもありますが、実は100円ショップで手に入るものもあります。100円ショップで選ぶ場合は11月中ぐらいに品揃えがあるうちにまとめ買いをしておくことをお勧めします。
第2に、歌手や芸能人、キャラクターのカレンダーです。映画俳優や女優、宝塚、ワンピースやポケモンなどアニメ系のキャラクターからオタク系までけっこう人気です。私の経験ですが、嵐やAKB48のカレンダーを買って行って奪い合いになったこともありました。
これはちょっと値が張ります。2000-3000円が一般的です。プレゼントする相手がどんなアイドルが好きかを事前に聞いておけばハズレがありません。
第3に、最初からリクエストを募るという方法もあります。
車が好きな人から「GT-R」(日産自動車)のカレンダーを頼まれたこともありました。ペット好きの人には「かわいいワンちゃん」のカレンダーとか、野球選手のカレンダーとか、グルメカレンダーとか、アパレルメーカーが出しているもの、鉄道会社が出しているもの、欲しいものを買って行って喜んでもらうには、先にリクエストを聞いておくという方法が一番です。
私も実際に、先方のリクエストを聞いてから品を選ぶ場合があります。
■ お土産としてのカレンダーにはもうひとつの効用も
最後になりますが、カレンダーのプレゼントにはもうひとつ重要な意味があります。
カレンダーのプレゼントと聞いて、「日本、中国、香港、台湾では祝日が違うのでは?」とお気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか? その通りです。日本の祝日と海外の祝日は違います。
しかし、祝日が違うから海外では使えないのではなくて、海外とは違う日本の祝日がわかるから逆に役立つのです。つまり、「この日は吉村に連絡しても事務所にいないよ」という日を覚えておいてもらう、あるいは確認してもらうためのカレンダーのプレゼントです。
以前は、「電話やメールで何度連絡しても吉村さんがつかまらない」ということがよくありました。中国では平日でも日本が祝日ならば、当然、そうなってしまいます。しかし、日本のカレンダーをプレゼントしておくことによって、こうした行き違いをなくすことができます。
逆に、私のテーブルには中国や台湾の卓上カレンダーが置いてあります。中国や台湾の祝日を確認するためです。「メールしたのにレスがない」、「電話しても誰もでない」というストレスが回避できます。また、テレビ会議の日程とか、報告書の提出日を記入しておきます。海外の祝日がわかるコンパクトな卓上カレンダーは意外と便利です。
「お土産」の注意点をシリーズで書いてきました。読者の皆さんも、いろいろなご経験をお持ちだと思います。よろしければ、贈って喜ばれたお土産の事例や経験談を教えていただきたいと思います。(執筆者:吉村章 提供:中国ビジネスヘッドライン)
贈ってはいけない品物シリーズのまとめです。お土産は「豪華に」、「派手に」、「いいものを」、「大げさに」が基本原則です。
2014-02-04 09:00